TypeScriptで実装されたオープンソースIDE「Eclipse Theia 1.0」リリース

 The Eclipse Foundationは3月31日、オープンソースの統合開発環境(IDE)プラットフォーム「Eclipse Theia 1.0」のリリースを発表した。TypeScriptで実装された開発環境で、デスクトップとWebブラウザ上の両方で動作するのが特徴。

 これまでのブラウザベースのIDEは、最新の言語やプラットフォームのサポートという点で課題があったが、Eclipse Theiaでは米MicrosoftのVS Codeチームが作成したプロトコルベースのIDE拡張モデルを採用することで対応した。拡張を軽量のサンドボックスで動かすことができるもので、TheiaではこのVS Code拡張プロトコルをネイティブにサポートする。これにより、オープンソースコミュニティが開発した1万6000件以上の拡張をインストールして利用できるとしている。

 なお、MicrosoftはVisual Studio製品以外が自分たちのマーケットプレイスからバイナリなどをインストールすることを禁じているため、Eclipse TheiaではVS Code拡張レジストリのオープンソース実装であるOpen VSXを開発することで対応した(Open VSXは現在ベータ扱い)。Open VSXはオープンソースのVSCode拡張の公開レジストリを目指しており、誰でも利用できる。今後、ニーズが高いというプライベートレジストリ機能も予定しているという。

 VS Codeとの違いについて、ベンダー中立のオープンソースプロジェクトであること、モジュラー構成によるカスタマイズ性と柔軟性、設計段階からデスクトップとクラウドで動かすことを想定していることなどを挙げている。

 すでにArduinoの「Pro IDE」、RedHat(米IBM)、独SAP、Google(米Alphabet)などがTheiaを利用している。Eclipse CheもGWTベースのIDEをTheiaに置き換えたという。

 Theia 1.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Eclipse Theia
https://theia-ide.org/