Let's EncryptがFSFの年次アワードを受賞、新貢献者を表彰する部門を新設
フリーソフトウェアを支援するFree Software Foundataion(FSF)は3月14日、フリー/オープンソースの年次アワード「2019 Free Software Awards」を発表した。個人部門は新たにフリーソフトウェアコミュニティで活動を始めた人を認める賞が設けられ、ブラジルの学生が受賞した。また、団体部門はLet’s Encryptが受賞している。
Free Software Awardsはソフトウェアの自由(フリーダム)において重要な貢献をした団体と個人に送られる年次アワード。毎年3月20日前後に開催される「LibrePlanet」カンファレンスで受賞が行われる。今年はLibrePlanetはすべてオンラインで行われるため、Free Software Awardsの授賞式も同様にオンラインで行われる。
今年は新たに「Award for Outstanding New Free Software Contributor」として、フリーソフトウェアに新たに参加し、重要なコミットを行った人を讃えるアワードを導入した。初回の受賞者は、ブラジルのソフトウェアエンジニア学生Clarissa Lima Borges氏が選ばれた。Borges氏は、Outreachy(オープンソースとフリーソフトウェア分野のインターンの仕組み)を経由したインターン中にGNOMEアプリケーションのユーザビリティテストなどに取り組んだ。
チームや団体に贈られる「Award for Projects of Social Benefit」では、Let’s Encryptが選ばれた。Let’s EncryptはWebのトラフィックの暗号化を進めることを目標に設立された非営利団体で、認証局として無料でSSLサーバー証明書を発行している。FSFの執行ディレクター、John Sullivan氏は、「(Let’s Encryptは)多くの人、多くの既得権所有者が絶対に解決できないと述べていた問題に取り組むプロジェクトだ。フリーソフトウェアとフリーソフトウェア動向の根本原理を使ってこの問題に取り組んだ」と称している。
フリーソフトウェアの発展に貢献した個人を讃える「Award for the Advancement of Free Software」では、フリーソフトウェアのプログラマーやメンテナーであり、著者でもあるJim Meyering氏が選ばれた。Meyering氏のプレゼンターは、Free Software FoundationとGNU Projectを創始したRichard Stallman氏が務めた。
Free Software Foundataion(FSF)
https://www.fsf.org/