FSF、2017年度のフリーソフトウェアアワードを発表

 フリーソフトウェアを推進する非営利団体The Free Software Foundation(FSF)は3月24日(米国時間)、2017年度のフリーソフトウェアアワード「2017 Free Software Awards」受賞者を発表した。団体では環境問題に取り組むPublic Labが、個人ではSoftware Freedom Conservancy執行ディレクターのKaren Sandler氏が選ばれた。

 2017 Free Software Awardsはフリーソフトウェアの促進や発展に貢献した個人、プロジェクトに贈られる年次アワード。

 プロジェクトに贈られる「Award for Projects of Social Benefit」では、サイエンスの民主化により環境問題に取り組むことを目指す非営利団体Public Labが選ばれた。水、空気、土壌をモニタリングするプロジェクト「Open Water」や「Open Air」、「Open Land」などのイニシアティブを展開しており、フリーソフトウェアと低コストなデバイスを活用したツールとテクニックにより、技術スキルに関係なく環境問題を調べることができる。

 たとえばOpen Waterでは「Riffle」というArduinoベースの水質ロガーや、センサーの値を音に変換する廉価な部品を使った回路「Coqui」などのプロジェクトオープンソースで進めている。FSFは誰もが環境について調べることができるツールを提供する点を評価し、プロジェクト部門に選んだ。

 個人部門「Award for the Advancement of Free Software」は、Software Freedom Conservancyの執行ディレクターを務めるKaren Sandler氏が受賞した。Software Freedom Conservancyはフリー/オープンソースに基盤やサービスを提供する非営利団体。Sandler氏は中でも医療デバイス上のソフトウェアに関連したフリーソフトウェア活動に取り組んでいる。

 また、人種、性別、地域などで少数グループに属するフリーソフトウェアの有償インターン活動「Outreachy」も共同で運営している。

 これらに加え、Sandler氏はGNOME Foundationでは取締役会を務めており、過去には執行ディレクターを務めた。Software Freedom Law Centerの法務顧問も経験している。

The Free Software Foundation(FSF)
http://www.fsf.org/

Public Lab
https://publiclab.org/