FSFが年次フリーソフトウェアアワードを発表、「OpenStreetMap」などが受賞

 フリーソフトウェアを支援・推進するThe Free Software Foundation(FSF)は3月23日(米国時間)、2018年度の「2018 Free Software Award」を発表した。団体部門では自由に参加できる地図プロジェクトの「OpenStreetMap」が、個人部門ではSoftware Freedom ConservancyのDeborah Nicholson氏が受賞した。

 FSFのFree Software Awardは、フリーソフトウェアを通じて社会に貢献したとされるプロジェクト(Award for Projects of Social Benefit)と、フリーソフトウェアの進展に貢献したとされる個人(Award for the Advancement of Free Software)の2つを表彰するもの。毎年3月後半に米マサチューセッツ州で開催される「LibrePlanet 2019」で発表される。

 今年団体部門に選ばれたOpenStreetMapは2004年に英国で立ち上がったプロジェクトで、100万人以上のコミュニティメンバーが地図情報を貢献しており、Webサイト、モバイルアプリ、ハードウェアデバイスなどで利用されているという。地図情報の使用について制限がなく世界ベースで利用できる唯一のサービスであり、FSF創始者のRichard M. Stallman氏は、「地図データが重要であることは明らかであり、フリーな地図データが必要とされている」と評価している。

 個人部門を受賞したNicholson氏は、Software Freedom Conservancyでコミュニティオペレーション担当ディレクターとして、加盟企業の作業支援やフリーソフトウェアコミュニティの協調を支援している。FSFのメンバーシップコーディネーターを務めた経験もあり、フリーソフトウェア分野の女性の参加を促進する取り組みも開始したという。そのほかGNU MediaGoblin、OpenHatchなどのプロジェクトにも参加している。

The Free Software Foundation
https://www.fsf.org/

OpenStreetMap
https://www.openstreetmap.org/