フリーソフトウェア活動への貢献を表彰するFree Software Award 2015、GnuPGのKoch氏が受賞

 フリーソフトウェアを支援する非営利団体Free Software Foundation(FSF)が2015年度の「Free Software Awards」の受賞者を発表した。個人部門ではGNU Privacy Guard(GnuPG)を開始したWerner Koch氏、団体部門では図書館のプライバシーを推進するLibrary Freedom Projectが選ばれた。

 Free Software Awardsは、フリーソフトウェアの構想やそれに基づく活動を通じて発展に寄与した人に贈られる年次表彰制度。個人に贈られる「Award for the Advancement of Free Software」と団体を対象とした「Award for Projects of Social Benefit」がある。今年の受賞者・団体は3月20日に米マサチューセッツ州のマサチューセッツ工科大学で3月19日と20日に開催された「LibrePlanet 2016」で、FSFの創始者であるRichard Stallman氏により表彰された。

 今年はプライバシーがテーマとなり、個人、団体ともにプライバシー分野のプロジェクトと人が選ばれた。受賞の場となったLibrePlanet 2016では、基調講演でEdwared Snowden氏が動画で登場している。

 個人部門では、GNU Privacy Guard(GnuPG)プロジェクトを創始したWerner Koch氏が選ばれた。GnuPGは暗号化通信のための事実上の標準となっており、FSFでは「社会はこれまでにないレベルでフリーの暗号化技術の進化を必要としている」と選んだ理由を説明している。

 団体部門では、図書館の知的自由のために図書館司書、技術者、プライバシー擁護団体、弁護士が活動するLibrary Freedom Projectが選ばれた。図書館や地域コミュニティーのプライバシーの認知を上げるため、図書館司書に監視の脅威、プライバシーの権利と責任などを教える活動をしているという。

Free Software Foundation
http://www.fsf.org/

GNU Privacy Guard(GnuPG)
https://www.gnupg.org/

Library Freedom Project
https://libraryfreedomproject.org/