「Qt 5.14」リリース、Qt 6に向け機能を強化
Qt開発チームは12月12日、UI・アプリケーション開発フレームワーク「Qt 5.14」を公開した。3D関連など、次期メジャーリリース「Qt 6」に向けた機能改善が加わっている。
Qt 5.14は6月に公開されたQt 5.13に続く最新版。
Qt Quickでは「graphics-API-independent scenegraph renderer」をプレビュー導入した。これまでグラフィックAPIはOpenGLに依存してきたが、将来的にはさまざまなグラフィックAPIをサポートする予定で、この技術を使うことでQt QuickアプリケーションをVulkanやMetal、Direct3D 11といったAPIベースで直接動かすことができるという。graphics-API-independent scenegraph rendererは、Qt Rendering Hardware Interfaceという抽出レイヤーを介してオプトインとして提供する。開発チームによると、バージョン6に関連してグラフィックスタックを生産性、グラフィックAPI、性能の3つの側面で改善する作業を進めており、OSが提供する3DグラフィックAPIに依存しないようにするための最初のステップと位置付けているという。
3Dコンテンツ作成のためのハイレベルAPIを提供するための新しいモジュール「Qt Quick 3D」をプレビュー導入した。QMLを使って3Dシーンを定義できるようになるため、2Dと3Dの両方のUIでQMLを土台に作業できるというもの。1つのランタイム(Qt Quick)、1つの共通のシーングラフ、1つのアニメーションフレームワーク、そして1つのデザインツール(Qt Design Studio)で作業できること目指している。
デスクトップとモバイルでは、HiDPIのサポートを改善し、色空間のサポート、Qt WidgetsとQt Quick向けのテキストエディタなども強化した。
なお5系の次のリリースとなる5.15は、3年のサポート期間を持つ長期サポート版(LTS)となる。現行のLTSは1月に公開された5.12。
Qt 5.14と合わせて、統合開発環境(IDE)の「Qt Creator 4.11」も公開した。
The Qt Company
https://www.qt.io/