Mozillaのプログラミング言語「Rust」、バージョン1.0リリース
プログラミング言語「Rust」開発チームは5月15日、「Rust 1.0」リリースを発表した。初の正式版となり、プロジェクトのWebサイトより入手できる。
RustはMozillaが開発するプログラミング言語で、2012年1月にバージョン0.1が公開された。信頼性があり効率のよいシステムを容易に構築することを目的とし、ローレベルの制御とハイレベルの便利さと安全性を組み合わせ、高い性能を備えるという。JavaスタイルのインターフェイスとHaskellスタイルの型クラスを組み合わせた型システムも特徴で、ベストプラクティスの成文化を実現したという。
Rust 1.0では標準ライブラリの多くが安定版となったほか、traitの一貫性にいくつかの制限が加わり、アップストリームの開発者はダウンストリームのコードを損なうことなくtraitを変更できるようになった。ライブラリでも、thread_localモジュールが「std::thread」に名称変更され、またIteratorExtメソッドがIteratorトレイトに移動した。一部のtraitでRustの型変換向けの規約を実装するなどの変更が加わっている。
Rust 1.0のリリースは安定性に向けたスタート、およびアプリケーションとライブラリの構築土台の両方の位置付けを持ち、今後は後方互換性を損なうような変更は予定していないとしている。
またRust開発チームは2014年11月に、RustパッケージマネージャでビルドシステムのCargo、中央のパッケージレポジトリcrates.ioを発表しており、すでに多数のパッケージが開発されているという。
ガバナンスについては、RFCプロセスを約1年前に導入、主要な決定についてはRFC上で記述されでオープンに議論されているという。また4月にはRFCプロセスを拡張し、特定の分野にフォーカスしたサブチームを複数立ち上げたことを発表している。