Mozilla、C/C++に似た新たなプログラミング言語「Rust 0.7」をリリース
Mozilla傘下で開発が進められている新しいプログラミング言語「Rust」の最新版「Rust 0.7」がリリースされた。言語の変更よりも標準ライブラリの強化に注力したリリースになっているという。
RustはMozillaのGraydon Hoare氏がスタートしたプロジェクト。C/C++に似た文法を持つ静的型付けのオブジェクト指向言語で、安全性を高めた独自のメモリ管理機能や並列性などが特徴。ライセンスはMIT Licenseで、2012年1月にバージョン0.1が公開された。Mozillaは4月、Samsungと共同で次世代ブラウザエンジン「Servo」開発計画を明らかにしており、Rustはそこでも用いられている。
Rust 0.7での変更点としては、copyキーワードが削除となった点が挙げられている。オブジェクトのコピーにはCloneトレイトのcloneメソッドを利用するように変更された。なお、cloneメソッドはポインタの複製を行うだけで、格納する要素の複製は行わない。これらを含めた複製(ディープコピー)を行うには、DeepCloneトレイトのdep_cloneメソッドを利用する。そのほか、数値型の操作を実装するためのNumトレイトも新たに追加されている。
また、イテレータ仕様の変更も進められており、Rubyのような「internal iterator」からJavaのようにIterator型を使った「external iterator」への移行を進めていくという。より柔軟性が得られることを理由としており、次期版よりforプロトコルは新しいイテレータを利用するようになるという。これらの強化により、Rust 0.7の標準ライブラリは最終的なデザインを反映したものになってきたと記されている。
このほか、言語やシンタックスでも修正が加わり、合計で2000以上の変更が加わったという。
Rust
http://www.rust-lang.org/
Mozilla
http://www.mozilla.org/