JavaScriptの性能を改善、米Googleが「Dart 1.1」リリース

 米Googleは1月16日、同社が開発しているプログラミング言語「Dart」のSDK最新版「Dart SDK 1.1」をリリースした。バージョン1.0公開から2か月での最新版リリースとなり、JavaScriptの性能が25%高速になるなどの改善が加わっている。

 DartはGoogleが2011年秋に発表した、大規模Webアプリケーション開発向けスクリプト言語。JavaScriptに代わる言語を目指しており、オブジェクト指向や安全性などを特徴とする。SDKにはライブラリおよび仮想マシン、ツールが含まれており、Dartで作成したプログラムはJavaScriptへとコンパイルして実行することもできる。JavaScriptにコンパイルされたプログラムはGoogle Chromeだけでなく、FirefoxやInternet Explorer、Opera、Safariなどの主要Webブラウザで動作する。

 Dart 1.1は2013年11月に登場した初の正式版(1.0)に続くリリースで、性能と機能を強化しているという。性能では、DartコードをJavaScriptに変換するコンパイラ「dart2js」の改良により、前バージョンと比較してRichardsベンチマークでは25%、FliudMotionベンチマークでは約2倍の性能向上を実現したと報告している。ランタイムは「オリジナルのJavaScriptと比較できるレベル」とし、Dart 1.1を「JavaScriptに相当する独特の環境」と評している。

 サーバーサイドプログラミング向けの機能も強化され、大規模ファイル、ファイルコピー、プロセスシグナル処理などの機能をサポートした。UDP(User Datagram Protocol)にも対応し、開発者は効率のよいメディアストリーミングアプリを作成できるという。また、Dart開発環境「Dart Editor」でも、デバッギング、コード自動補完の改善など、生産性改善に主眼を置いた機能強化が加わっている。

 DartはプロジェクトのWebサイトより入手できる。Googleは開発リソースサービスの米Runnableと提携し、Runnableの新サービスの「Code Channels」でDartフレームワークのホスティングを開始したことも明らかにしている。開発者はこれを利用して、コード実装やテストを行えるという。

米Google
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Dart
https://www.dartlang.org/