米Google、JavaScript代替のDartの初の正式版「Dart SDK 1.0」を発表
米Googleは11月13日、オープンソースのプログラミング言語「Dart」向けのソフトウェア開発キット「Dart SDK 1.0」をリリースした。実運用も十分可能(production-ready)な品質のリリースとされており、構造化されたWebアプリケーションの作成に必要なものを備えているという。
Dartは2011年にGoogleが発表したスクリプト言語。複雑で大規模なWebアプリケーションに向けたもので、ライブラリや仮想マシン、ツールを含む。ネイティブな実行環境が用意されるほか、JavaScriptへのコンパイルも可能で、Dartで実装されたプログラムはWebブラウザで実行できる。
Dart SDKは軽量かつパワフルなDart開発環境「Dart Editor」やネイティブのDart VMなどを含むカスタム版Chromium「Dartium」、パッケージマネージャ「Pub」などで構成される。Dart EditorはEclipseベースのエディタで、コンパイル、リファクタリング、デバッガー、定義へのジャンプ、警告などさまざまな機能を持つ。Dartiumを利用して簡単に編集/リフレッシュのサイクルを回すことができるという。また、Pubではコミュニティが開発した500以上のパッケージがすでに公開されているという。
DartコードをJavaScriptに変換するコンパイラ「dart2js」では、Internet Explorer 9および10、Firefox(最新版)、Google Chrome(最新版)、Safari 6(デスクトップ版)をターゲットとしてサポートする。Dartium以外にDartをネイティブでサポートするWebブラウザはないが、dart2jsがアウトプットするコードはサイズが大幅に小さくなり、実行速度もJavaScriptネイティブなコードより速くなることがあるという。Dart仮想マシンの性能も改善しており、V8で動くJavaScriptよりも42~130%高速化が図れるとのこと。
DartはWindowsおよびMac OS X、Linuxに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。
Dartチームによると、今後はDartiumの改善、Dartのパフォーマンスなどに注力するという。当面は、コア技術への変更は後方互換性を維持しながら行っていく予定。
Dart
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米Google
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