新しいクラスや機能が多く追加された「Scala 2.10.0」リリース

 Java仮想マシンで動作するプログラミング言語「Scala」の開発チームは1月4日、最新版「Scala 2.10.0」を発表した。ValueやImplicitといった新しいクラスや文字列補間などの機能が加わっている。

 Scalaはスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のMartin Odersky氏らが設計・開発するプログラミング言語。関数型言語とオブジェクト指向言語の特徴を兼ね備え、簡潔なコードを記述できるという。Scalaで実装されたプログラムはJava仮想マシン上で動作し、バイトコードレベルでJavaとの互換性を持つ。既存のJavaライブラリをScalaコードから利用することも可能で、同等のJavaアプリケーションと比較するとコードサイズは2~3倍に削減できるという。Twitter、Foursquare、LinkedIn、ソニーなど多数の導入実績を持つ。

 Scala 2.10.0は、2012年5月に公開されたバージョン2.9以来のメジャーリリースとなる。新たにValueクラスおよびImplicitクラスが導入されたほか、複雑な文字列の作成を簡素化できるString Interpolation(文字列補間)機能が加わった。また、非同期コード開発をサポートするFutureやPromiseといったオブジェクトも導入されている。

 ASMベースのバイトコードエミッターも新機能となる。JDK 1.5/1.6/1.7をターゲットとし、デフォルトで1.6のバイトコードを出力する。また、Pattern Matcherもリライトされ、コード生成と分析を分離した。これにより、より堅牢なコードを生成できるという。並列コレクションも強化し、カスタムスレッドプールを利用しての設定が可能になった。

 これらに加え、実験的ではあるがScala Reflectionとしてリフレクション、それにマクロのサポートが加わった。

 Scala 2.10はScalaプロジェクトのWebサイトより入手できる。Scala 2.10に対応する「Scala IDE」もEclipse 3.7および3.8/4.2向けに公開されている。

Scala
http://www.scala-lang.org/