Scala向けのORマッパー「Slick 1.0」が公開
米Typesafeは2月11日、Scala向けのデータベースアクセスライブラリ「Slick 1.0」をリリースした。Scalaとデータベースとの相互運用性を向上させることで、Scalaベースの分散アプリケーション構築を支援するという。
Slick(Scala Language Integrated Connection Kit、旧名称ScalaQuery)はScala開発者がSQLデータベースやNoSQLデータベースなどに接続するためのフレームワーク。2012年8月に発表されており、ScalaやWebフレームワークのPlay、ランタイムのAkkaなどとともにTypesafe Stackの一部となっている。
Slickを利用することでデータベース内のデータをScalaコレクションのように手軽に扱え、SQLなどのデータベース言語の代わりにScalaでデータベースクエリを書けるという。異なるバックエンドに向けてコードを生成できるクエリコンパイラを持ち、クエリはすべてコンパイル時に静的にチェックできる。Derby/JavaDB、H2、HSQLDB/HyperSQL、Microsoft Access、Microsoft SQL Server、MySQL、PostgreSQL、SQLiteなどに対応する。
Slick 1.0は初のメジャーリリース版となる。O.AutoIncオプションを利用したプライマリキー自動生成機能サポートを拡大し、生成したキーをすぐに取得できるようになった。また、クローズドソースのドライバパッケージ「Slick Extensions」が新たに導入され、これを利用することでOracle DatabaseやDB2のコネクタも提供される。既存のデータベースドライバやカスタムドライバをテストできるユニットテスト「Slick TestKit」も加わっている。
Slick 1.0はScala 2.10向けで、Maven Centralよりアーティファクト(配布パッケージ)にアクセスできる。また、ライブラリはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。
米Typesafe
http://www.typesafe.com/
Slick
http://slick.typesafe.com/
SlickのGitリポジトリ
https://github.com/slick/slick/tree/1.0.0