認証ヘルパ機能や細かい機能強化が加えられた「Git 1.8」がリリース
10月21日、分散型バージョン管理システムGitの最新版「Git 1.8」がリリースされた。WindowsやGNOME keyringに対応する認証ヘルパの追加や既存機能の細かな改良、「git svn」コマンドのSubversion 1.7対応、バグ修正などが行われている。
GitはLinuxカーネル開発におけるバージョン管理のために作成されたオープンソースの分散型のバージョン管理システム。プロジェクトの規模の大小に関わらず利用でき、スピードと効率性を特徴とする。
Git 1.8は、8月にリリースされたバージョン1.7.12以来のアップデートとなる。新たに追加された機能や特徴としては、WindowsやGNOME Keyringに対応する認証ヘルパ機構や米Hewlett-Packard(HP)の無停止型超並列システム向けOS「NonStop OS」の移植(初期段階)などが挙げられている。
既存機能の強化としては、「git am」や「git cherry-pick」、「git daemon」、「git grep」、「git log」、「git merge-base」、「git mergetool」、「git rebase」などのコマンドに新たなオプションや機能が追加されている。このほか、「git svn」もアップデートされ、Subversion 1.7サポートが行われている。バグも多数修正されている。
また、次期メジャーリリースでは「git push」コマンドの挙動が変更されることもアナウンスされている。git pushコマンドでpush元ブランチが指定されなかった場合、push先リポジトリに同名のブランチがあるローカルブランチすべてがリモートに送信される。いっぽう次期版ではカレントブランチを同じ名前のリモートブランチにpushするという動作になるという。これは意図しないリモートからのブランチ上書きを防ぐためとのことで、オプション設定で変更できるようになるとのこと。