システム関連がアップデートされた「openSUSE 12.3」登場、OpenStackサポートやMariaDBのデフォルト化なども含む
openSUSE Projectは3月13日、Linuxディストリビューション「openSUSE」の最新版となる「openSUSE 12.3」を公開した。systemdの統合が完了したほか、ARMv7や64ビット版ARM版も提供される。
openSUSE 12.3は2012年9月にリリースされた「openSUSE 12.2」に続く最新版。openSUSE 12.2はリリースが予定よりも遅れたが、それを受けてリリースサイクルは短縮されている。
Linuxカーネルはバージョン3.7を採用、UEFIセキュアブートのサポートやsystemdの統合などが行われている。デスクトップ環境としてはKDE Software Compilation 4.10およびGNOME 3.6を同梱、ともに新しいテーマが導入されている。KDEのパッケージ管理ツール「Apper」など新機能も利用できる。XfceやEnlightenmentといったデスクトップ環境も選択可能。システム関連ツールではBluetoothオーディオソースをサポートしたPulseAudio 3を搭載、PackageKitも書き直した。
データベース関連では、デフォルトのデータベースがMySQLからMariaDBに変更となった。MariaDBはMySQLからフォークしたデータベースシステムで、2010年のopenSUSE 11.3で初めてサポート、以来技術を実証してきたという。このほかPostgreSQL 9.2もサポートされている。
クラウド関連では、OpenStack 2012.2(Folsom)関連パッケージが新たに提供されるようになった。クラウド環境の構築や運用に必要な全てのツールを揃えるという。4月公開予定のOpenStackの次期版、Grizzlyもサポートする予定という。仮想化関連ではVirtualBox 4.2、QEMU 1.3などを含むほか、仮想マシンやリモートマシンを管理/操作できるアプリケーション「Boxes」もサポートされた。
開発関連では、Gitを統合したAnjuta 3.6、QtCreator 2.6、KDevelop 4.4などをサポート。分散型バージョン管理システムのFossilも新たに加わった。このほか、LibreOffice 3.6、digiKam 3.0、Amarok 2.7、Rhythmbox 2.98、GIMPなど最新のアプリケーションも提供される。
openSUSE 12.3はプロジェクトのWebサイトより入手できる。なお、ライブ版のISOイメージについてはそのファイルサイズが従来の650MBから900MB~1GBに拡大されているとのこと。
openSUSE.org
http://www.opensuse.org/