米DreamHost、OpenStackと分散ストレージ「ceph」を組み合わせたパブリッククラウドサービスを発表
ホスティング事業者の米DreamHostは10月15日(米国時間)、OpenStackべースのパブリッククラウド「DreamCompute」を発表した。自社が開発を率いるオープンソースの分散ストレージシステム「Ceph」を特徴とし、拡張性と信頼性を特徴とする。
DreamHostはWebホスティングサービスを提供する企業で、DreamComputeは同社にとって初となるクラウドコンピューティングサービスとなる。DreamComputeは自社も開発に参加するオープンソースのクラウド基盤プロジェクトOpenStackをベースとしたパブリックIaaS(インフラ・アズ・ア・サービス)で、開発者と起業家向けとうたっている。
OpenStackのクラウドプラットフォームをベースとし、ストレージブロックCeph、米VMwareが買収したNiciraのネットワークサービス仮想化技術「Nicira NVP(Network Virtualization Platform)」などを組み合わせた。Cephは同社の創業者Sage Weil氏が作成した分散ストレージソフトウェアで、オブジェクトストア、ブロックストア、POSIX準拠の分散ファイルシステムで構成される。高い拡張性、自動拡張、自己修復などが特徴で、2.6.34よりLinuxカーネルに採用されており、OpenStackにもブロックストレージ「Cinder」(コードネーム)プロジェクトで統合されている。デフォルトのストレージメカニズムRADOSクラスタとのRESTインターフェイス(「RADOS Gateway」)を利用してAmazon S3、OpenStackのオブジェクトストレージ「Swift」(コードネーム)にもアクセスできる。
ネットワーク部分では、ソフトウェアによるネットワーク構成の制御(SDN)を実現するOpenStackのネットワーク制御サービス「Quantum」(コードネーム)とNiciraのNVPにより、ネットワークハードウェアに依存せずにテナント単位でネットワークの作成・設定が可能となる。これに加え、仮想ネットワーク向けのトラフィックルーターとなる自社のオープンソースプロジェクト「Akanda」により、仮想ネットワークの設定とLAN/WANやインターネットとのやり取りが可能になる。
DreamComputeの価格構成は未発表。同日よりベータ版の無償トライアルの受付を開始している。
米DreamHost
http://dreamhost.com/