VMwareとKVMとの統合を強化した「OpenNebula 3.8.0」がリリース
オープンソースのクラウドコンピューティング環境構築・管理ツール「OpenNebula」を開発するOpenNebula.org Projectは10月22日、最新版となる「OpenNebula 3.8.0」(開発コード「Twin Jet」)をリリースした。
OpenNebulaは、仮想化システムの制御や仮想マシンおよび仮想ストレージ、仮想ネットワークの管理などの機能を持つクラウドコンピューティング環境構築・管理ツール。KVMやXen、VMwareなどの仮想化技術をサポートし、Amazon EC2といったパブリッククラウドとの連携機能も備える。ライセンスはApache License 2。欧州原子核研究機構(CERN)、フェルミ国立加速器研究所(FermiLab)などが利用している。
OpenNebula 3.8.0では、これまでのバージョンで導入されていた機能の安定化に加え、新しいデータストアおよびトランスファーマネージャドライバの導入によるVMwareサポートの強化などが行われている。これらの新ドライバにより、複数ストレージの実装やVMFS(Virtual Machine File System)のネイティブ対応が実現しているという。また、KVM向けの機能強化としては仮想マシンのCPU利用制御などに使われるcgroupおよびデスクトップ仮想のためのSPICE(Simple Protocol for Independent Computing Environment)プロトコルサポートが追加されている。このほか、仮想ルーターや異機種混合型のクラウド環境に向けた機能の強化も行われている。
Amazon EC2のQuery API経由でOpenNebulaの仮想マシンを操作するEC2 Query APIも大幅に改善され、Elastic Block Store(EBS)インターフェイスやキーペアインターフェイスが実装されたほか、OpenNebula econe client toolsも改良・強化されている。
ユーザーおよび管理者向けのWeb管理画面「Sunstone」では、サードパーティのツール統合が容易になったほか、VNCプロキシシステムが改善され、使用するポート数の削減などが可能になったという。サポートするWebブラウザについてもFirefoxとGoogle Chromeに加え、Internet Explorerが加わっている。
OpenNebula.org Project
http://www.opennebula.org/