GNOME 3.4リリース、ドキュメント検索など細かな機能強化にフォーカス

 The GNOME Projectは3月28日、デスクトップ環境「GNOME 3.4」を公開した。多くのアプリケーションでデザインやUIの変更を含む改良が加えられているほか、設定ツールや管理ツールも強化されている。

 GNOME 3.4はGNOME 3系で2回目のメジャーリリースとなる最新版。GNOME 3.0の公開ら1周年でのリリースとなった。GNOME 3.4は3.0および3.2をベースに改良を加えたもので、約1275人の開発者が41000件にのぼる変更を加えたという。

 ユーザー向けの変更点としては、まずアプリケーションのデザインやインターフェイスの変更がある。ドキュメント管理機能「Documents」や連絡先管理ツール「Contacts」のデザインが大きく変更され、Documentsでは「コレクション」の作成機能や印刷機能、検索機能など、Contactsではアバター選択機能などの新機能も追加されているまた、Webブラウザ「Epiphany」は名称が「Web」に変更され、メニューやステータスバーの非表示化といったデザイン変更も加えられた。

 チャットアプリ「Empathy」ではビデオ通話機能が加わり、オンラインサービスのアカウントと連携する「GNOME Online Accounts」では、Googleに加え、FacebookとMicrosoft Windows Liveも設定可能となっている。そのほか、アクセシビリティ機能の強化も行われている。

 このほか、ドライブの追加やパーティションを容易に行えるようなインターフェイスを備えるディスク管理ツール「Disks」や、アンドゥが可能となったファイルマネージャ「Nautilus」、パスワードと鍵管理の「Seahorse」など、多数のアプリケーションが強化されている。

 開発者向けの変更点としては、ユーティリティライブラリGLibやUIライブラリGTK+、ハードウェアアクセラレーション対応UIライブラリClutterなどのアップデートなどが行われている。また、統合開発環境Anjutaの強化や、テキストエディタgedit向けのコード記述支援プラグイン「gedit-code-assistance」の提供なども行われている。

 また、仮想マシン管理アプリ「GNOME Boxes」も実験的であるが導入されている。遠隔にある仮想マシンやマシンの閲覧とアクセス、仮想マシンの作成などができ、SPICEを使った接続も可能となっている。

 GNOME 3.4はいくつかのLinuxディストリビューションですでにパッケージ提供が開始されているという。また、GNOME 3.4を試用できるライブCDのISOイメージも公開されている。GNOMEは6ヶ月のリリースサイクルで開発されており、次期版「GNOME 3.6」は2012年9月の公開を予定しているという。

The GNOME Project
http://www.gnome.org/