「GNOME 3.6」がリリース、アクティビティ画面やNautilusが強化

 The GNOME Projectは9月26日、デスクトップ環境GNOMEの最新版となる「GNOME 3.6」をリリースした。バージョン3系で3度目のメジャーアップデートとなり、アクティビティ画面やログイン/ロック画面が強化されたほか、ファイルマネージャ「Nautilus」でも新機能が加わっている。

 GNOME 3.4のリリースから6か月ぶりとなるメジャーリリースで、3.0をベースに機能の強化や改善を図っている。ユーザーインターフェイスの核となるGNOME Shellでは、アクティビティ画面やメッセージトレイ、ログイン/ロック画面などが強化されている。アクティビティ画面ではアプリケーションランチャーがボタンベースに変更、メッセージトレイもデザイン変更により見やすさや使いやすさの改善を図った。ショートカット(Super+M)でメッセージトレイにアクセスすることもできる。ログイン/ロック画面では、ロック中でも音量変更やスキップといったメディアプレイヤー関連の操作が可能となり、通知も表示されるようになった。ポップアップ通知やユーザーメニューも改善されている。

 使用するライブラリ類は「Clutter 1.12」や「GLib 2.34」、「GTK+ 3.6」など最新版にアップデートされており、またevolution-data-server、evolution-ews、folks、gnome-search-toolなどのアプリケーションでは、設定管理にGConfではなくGSettingsを利用するようになった。先にリリースされたGStreamer 1.0への移行も進んでおり、「Brasero」など複数のソフトウェアがGStreamer 0.1系から1.0に移行している。freedesktop.orgが進めるXDG基本ディレクトリ仕様もサポートした。

 アプリケーション関連では、3.4で実験的に導入された仮想マシン管理アプリケーション「Boxes」が標準アプリケーションとなった。またファイルマネージャ「Nautilus」では、検索ボックスの導入、Places(場所リスト)が加わり、ファイルに容易にアクセスできるようになった。デザインやワークフローも改善されている。ディスク管理ツール「Disks」ではベンチマーク機能の復活など多数の機能強化が加わり、ディスク解析ツールの「Disk Usage Analyzer」ではユーザーインターフェイスが一新され、性能が改善された。「Empathy」や「Web」などそのほかのアプリケーションも強化されている。

 GNOME 3.6は10月公開予定の「Ubuntu 12.10」をはじめ、複数のLinuxディストリビューションで利用できる予定。ライブイメージ、ソースコードはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

The GNOME Project
http://www.gnome.org/