Mozilla、Mozilla Public License(MPL)を10年ぶりにアップデート
非営利団体のMozilla Foundationは1月3日、傘下のプロジェクトなどが採用するオープンソースライセンス「Mozilla Public License(MPL)2.0」を発表した。「ファイルレベルのコピーレフト」という構想を維持しつつ、GPLなどほかのライセンスとの互換性を強化した。
MPLはMozilla Foundationが策定するオープンソースライセンス。FirefoxやThunderbirdといったMozilla傘下のプロジェクトだけでなく、Mozilla以外のプロジェクトも採用している。Netscape Communicationsが用いていたライセンスのドラフトをベースにしており、Open Source Initiative(OSI)とFree Software Foundation(FSF)の承認を受けたオープンソースライセンスとなる。
全バージョンであるMPL 1.1のリリースは10年以上前で、Mozillaは2010年3月に改訂作業を開始した。この間、MozillaコミュニティやMPLユーザー、それにオープンソースおよび法律の専門家らのフィードバックや提案を受けてMPL 2.0を完成させたという。
MPL 2.0ではMPL 1.1と同様、MPLでライセンスされているコードをほかのオープンソース/プロプライエタリプロジェクトに組み込みやすい「ファイルレベルでのコピーレフト」という特徴を維持しつつ、ライセンス本文を短く簡潔にした。Apache LicenseやGPLなどほかのオープンソースライセンスとの相互運用性も強化し、コードの再利用や再配布が容易になった。コード貢献者向けの特許保護、著作権法の改正の反映なども変更点となる。
MPL 2.0はすでにOSIとFSFの承認を受けており、MozillaのWebサイトではMPL 2.0の利用方法やFAQを公開している。Mozillaも今後、プロジェクトで採用するライセンスをMPL 2.0に移行する方針を明らかにしている。
Mozilla Foundation
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