GPLv3の共同作者、GPLv3の派生ライセンス開発プロジェクト「Copyleft.next」を立ち上げ
GNU GPLv3をRichard Stallman氏らとともに作成したRichard Fontana氏が、GNU GPLv3の派生ライセンスを開発するプロジェクト「Copyleft.next」を立ち上げた。コピーレフトのフリーソフトウェアライセンスを開発するためのもので、Free Software Foundation(FSF)といった組織や企業の支援を受けない、個人のプロジェクトとなっている。
Richard Fontana氏はStallman氏やSoftware Freedom Law Center(SFLC)のEben Moglen氏らとともにGNU GPLv3の作成を行った人物。2008年2月までSFLCで法務顧問を務め、2007年にGNU GPLv3をリリースしている。その後は米Red Hatに移籍し、オープンソースライセンス担当を務めている。
Copyleft.nextは7月6日に「GPL.next」として公開されていたが、今回Copyleft.nextに名称を変更しての再公開となる。Cppyleft.nextのプロジェクトの目標は、強固なコピーレフト型フリーソフトウェアライセンスの開発と、GPLv3の実験的なフォークだという。プロジェクトでの取り組みはすべて、既存および今後のGPLと互換性を維持するという。プロジェクトページでは「パッチ、アイディア、批判などを歓迎する」と記されている。
プロジェクトはGPLの作成やメンテナンスを行うFSFの支持を得たものではなく、Fontana氏が勤務するRed HatやSFLCのSoftware Freedom Conservancy(SFC)といった組織や企業とも関係ないという。また、貢献者は個人のキャパシティでプロジェクトに参加するとしている。GPLv3の派生版を作ることに関する著作権的な問題が気になるところだが、FSFはGNU GPLv3のテキストでの著作権を主張しており、その修正版を作成・配布することについては奨励はしていないものの、一定の条件を満たす場合には認めているという。
Fontana氏はGPL.nextとして公開時、GPLv3の修正版を配布するための条件となる「別の名称を付ける」について、GPLのGは「GNU」ではなく「General(一般)」の略であることからGPLは「一般的な名称である」と説明していた。また、GPL.nextではその立ち位置を「GPLv3のフォーク」と位置づけていたが、Copyleft.nextでは「実験的なフォーク」と語意を和らげている。
Copyleft.netプロジェクトページ(GitHub)
https://github.com/richardfontana/Copyleft.next