AndroidベンダーのGPL侵害懸念が広がる中、FSFが問題の少ないGPL 3をプッシュ
AndroidベンダーによるGPL 2違反への心配が取り上げられる中、GPLの作成元である非営利団体Free Software Foundation(FSF)がGPL 3の利用を呼びかけている。
FSFのBrett Smith氏はブログにて、Androidが含むLinuxはGPL 2を利用しており、Androidの商用成功によりLinuxの配布はかつてないレベルで広がっている、と述べる。
だが、AndroidベンダーのすべてがGPL 2の条項に注意を払っていない、とSmith氏は記す。GPL 2の第4項(「あなたは『プログラム』を、この契約書において明確に提示された行為を除き複製や改変、サブライセンス、あるいは頒布してはならない。他に『プログラム』を複製や改変、サブライセンス、あるいは頒布する企てはすべて無効であり、この契約書の下でのあなたの権利を自動的に終結させることになろう。しかし、複製物や権利をこの契約書に従ってあなたから得た人々に関しては、そのような人々がこの契約書に完全に従っている限り彼らのライセンスまで終結することはない。」)では、GPL 2を侵害したディストリビューターはその権利を失う旨が記載されている。
Smith氏は、Androidベンダーによる「GPL 2違反報告が増えていることを目撃している」としながら、「GPL 3では権利を永久に失うのではなく、違反を中止した場合の回復をデフォルトで盛り込んでいる」と強調している。そういった理由から、開発者らに対しGPL 2からGPL 3へのアップグレードを勧めている。
AndroidベンダーのGPL侵害については、弁護士のEdward J. Naughton氏や、FOSS Patentsブログで知られるFlorian Mueller氏といった専門家が先に分析していた。Naughton氏は、Android 3.1(Honeycomb)など、Androidベンダーの中には適切にソースを頒布していない例があり、GPL侵害後に配布の権利を確立することが難しいことなどを挙げていた。
Free Software Foudation
http://www.fsf.org/
Edward J. Naughton氏の分析
http://www.brbilaw.com/blog/emergingtech/postIndv.asp?ID=113