米Oracle、「Hudson」をEclipse Foundation下のプロジェクトとすることを提案

 米Oracleは5月4日(米国時間)、オープンソースの継続的インテグレーションツール「Hudson」プロジェクトについて、非営利団体Eclipse Foundationのプロジェクトとすることを提案したと発表した。これに対し、商標などでOracleと合意できずにフォークを立ち上げたHudson創始者は失望を露にしている。

 HudsonはOracleが2010年1月に買収した米Sun Microsystemsのプロジェクトで、当時Sun社員だった川口耕介氏(現在CloudBees所属)らが創始した。Oracle買収後、Hudsonが開発拠点をjava.netからGitHubに移行する作業を開始した際にOracleが商標権を主張したため、コミュニティのメンバーは2011年1月末に「Jenkins」という名称でプロジェクトをフォークし、開発を続けている。

 Oracleは今回、HudsonをEclipse Foundation下のプロジェクトにすることを提案。コードを寄贈し、Hudsonの商標やHudson-ci.orgドメインを移管するとしている。自社のほかに、米Sonotype、米Tasktop、米VMwareがプロジェクトリードとなるという。なお、HudsonのライセンスはMIT Licenseで、Eclipse FoundationはEclipse Public Licenseを持つ。

 Oracleのツール・ミドルウェア担当上級副社長兼チーフアーキテクトのTed Farrell氏は、「注意深く選択肢を考慮し、顧客やパートナー企業との対話した結果、Hudsonの成長と今後の成功のためにEclipse Foundationへの寄贈が最適だと判断した」と述べている。

 Eclipse Foundationの執行ディレクター、Mike Milinkovich氏は、HudsonがEclipseコミュニティで広く使われていること、Eclipseのほかのプロジェクトと重ならないことなどを挙げ、歓迎の意を示している。

 一方、Jenkinsを共同で立ち上げた川口氏は自身のブログで、「非常に驚いた」と記している。この動きはJenkinsプロジェクトの成功を裏付けるものとしながらも、自分たちはJenkinsのガバナンスミーティングをオープンにしているにも関わらず、Oracleが今回の決定についてJenkinsコミュニティに知らせなかったこと、商標権でもめていた数ヶ月前にこの決断を予見しなかったことなどについて遺憾の意を示している。Jenkinsの開発者らがEclipseとなった後のHudsonプロジェクトに加わるかどうかについては記していない。

米Oracle
http://www.oracle.com/

Eclipse Foundation
http://www.eclipse.org/

川口耕介氏のブログ
http://kohsuke.org/