FSFがOpenOffice.orgのフリー拡張リストプロジェクトを開始、いっぽうOpenOffice.org側は遺憾を表明

 非営利団体Free Software Foundation(FSF)が先週、オープンソースのオフィススイート「OpenOffice.org」向けのフリーの拡張機能だけを集めるプロジェクトを開始した。これに対し、OpenOffice.orgの開発コミュニティ側は遺憾を述べている。

 FSFは5月7日(米国時間)、OpenOffice.org向けに開発されている拡張のうち、フリーソフトウェアとして公開されているものだけを集めるプロジェクトを立ち上げた。FSFはその背景や経緯について、OpenOffice.orgの現在のディストリビューション方法ではフリーではない拡張機能も提供することになる、と述べている。OpenOffice.org Community Councilにフリーの拡張のみをリストするか、フリーの拡張のみを集めたリストを別に作成するよう求めたが、同意を得られなかったと説明している。

 FSFは同日、GPLやLGPLなどのオープンソースライセンスで公開されている拡張のみを集めたリストを公開するとともに、既存の拡張のライセンスをチェックしてフリーの拡張を選び出すボランティアを募集している。

 これに対し、OpenOffice.orgのCharles Schulz氏は5月9日付で、「FSFに対するOpenOffice.org Community Councilの回答」として声明文を発表した。フリーの拡張のみをリストするというFSFの要求を断った理由について、「ユーザーが自由に(拡張を)比較して選択することが大切と判断した」とし、「拡張に対してユーザーにわかりやすい方法を提供するというわれわれの妥協案をFSFが受容できなかったことを遺憾に思う」と記している。

Free Software Foundation(FSF)
http://www.fsf.org/

OpenOffice.org
http://www.openoffice.org/