バージョン2系で最後のメジャーリリース「GNOME 2.3」が公開、「GNOME Store」も開設
The GNOME Projecctは3月31日(米国時間)、オープンソースのデスクトップ環境「GNOME 2.30」を公開した。バグ修正のほか新機能や機能強化が行われている。なお、本リリースはバージョン2系で最後のメジャーリリースとなる予定。
バージョン2.3は2009年9月の「GNOME 2.28」以来のリリースとなり、6カ月のリリースサイクルに沿っての公開となる。ユーザーの要求を元にした新機能や既存機能の強化が図られている。
GNOME 2.3では多くの改良が加えられている。代表的なものは下記の通り。
- ファイルマネージャー「Nautilus」のユーザーインターフェイス変更。1つのウィンドウで複数のフォルダを同時に表示する分割モードが加わったほか、新しいフォルダを開いた際に新しいウィンドウを開かず、現在開いているウィンドウで選択したフォルダの内容を表示する「 browser mode」がデフォルトとなった
- インスタントメッセンジャー「Empathy」の改良。接続失敗時に簡単に再接続を実行できる「information bar」や、ドラッグ&ドロップでのファイル送信、IRCクライアント機能での「/join」や「/nick」機能のサポートなどが追加されている
- 付箋アプリ「Tomboy」の強化。起動時間が大幅に短縮され、自動同期機能も加わった。自動同期の頻度も設定できる
- セキュリティ関連機能の強化。システムの管理・設定を行う「GNOME System Tool」では認証に「PolicyKit」を利用するようになり、必要に応じて管理者権限を取得する「Unlock」ボタンは削除された。そのほか、新規ユーザー作成ダイアログやパスワード変更ダイアログのデザイン変更などが行われている
- スケジュール管理アプレット「Time Tracker」がアプレットではなく単独でも起動可能となり、またスケジュールにタグを付けて管理できる機能も追加された
- ドキュメントビューワ「Evince」の印刷機能の改善と機能強化
- Webブラウザ「Epiphany」のバグ修正や新機能追加。gnome-keyringを利用したパスワード保存に対応したほか、プラグインの有効/無効を設定できる設定オプションも追加された。不完全なSSL証明書を含むWebサイトの表示に対する警告機能も導入されている。
- リモートデスクトップクライアント「Vinagre」の改良。SSHトンネル経由での接続が可能となったほか、画面の色数を減らしたりJPEG圧縮を利用することでネットワーク帯域幅が狭い環境でも利用しやすくなった。
そのほか、さまざまな付属アプリケーションのアップデードや、アクセシビリティ関連機能や開発環境、国際化対応なども強化されている。
開発チームによると、バージョン2系は2.3が最後となり、今後はメンテナンスリリースのみになるという。次期メジャーリリースとなる「GNOME 3.0」は9月に公開を予定している。
GNOME Foundationは米Zazzleと提携し、TシャツやマグカップといったGNOMEグッズを購入できるオンラインショップGNOME Storeも立ち上げている。
The GNOME Project
http://www.gnome.org/
GNOME Store
http://www.zazzle.com/gnome