GNOME開発者の70%がボランティア、コミット最多企業は米Red Hat
フリーソフトウェア専門コンサルティングの仏Neary Consultingは7月29日、「GNOME」の開発とコミュニティに関する調査「GNOME Census」を公開した。GNOME開発者の約70%は報酬を得ていないボランティア開発者であり、上位40人で30%の変更を行っているという。
調査では2010年3月にリリースされた「GNOME 2.3」を中心に、開発コミュニティについて調べた。GNOME 2.3は13年の開発工期に値し、3000人以上の開発者が46万8000件以上の変更を加えたという。開発者による変更にはリズムがあり、例年夏に開催される年次ユーザーカンファレンス「GUADEC」後にピークを記録するパターンが見られる。開発者の6カ月平均値は少しずつ増加傾向にあり、2002年8月の2000人強から、現在は3000人程度とほぼ1.5倍に拡大している。
また、開発者の属性についてはボランティアか、報酬を得ている開発者か、またはその両方かを聞いたところ、70%強が余った時間に開発するボランティアと回答した。両方は19.93%だった。
いっぽうで、コミットの7割以上は報酬を得ている開発者からという結果も明らかになった。変更の16.3%がRed Hatからで最多、次いで米Novell、コンサルティングの英Collaboraからと分析している。コミットの多いトップ開発者20人のうち11人が現在、もしくは以前Red Hatの社員だった開発者という。傾向として、Red Hatはミドルウェア、PackageKit、gvfs、gnome-power-managerなどのデスクトップサービスで貢献が多いのに対し、NovellはEvolutionなどアプリケーション側で貢献が目立つという。
仏Neary Consulting
http://www.neary-consulting.com/