Linuxカーネル 2.6.33がリリース——「Google Android」は含まれず

 Linus Torvalds氏は2月24日、Linuxカーネル 2.6.33をリリースした。2009年12月のLinuxカーネル2.6.32リリース以来、2ヶ月半ぶりのリリースとなる。「NouveauとDBRDの統合」が大きな変化という。2月初めにLinuxカーネル開発者が示唆していたとおり、米Googleのモバイルプラットフォーム「Android」関連コードが削除されている。

 「Nouveau」は、米NVIDIA製グラフィックカード向けのオープンソースグラフィックドライバ。ハードウェアによる3Dアクセラレーションのサポートが特徴となる。NVIDIAも3Dアクセラレーションに対応するLinux向けドライバをリリースしているが、ライセンスはフリーではない。また、オープンソースのNVIDIA向けドライバとしては「nv」があるが、こちらはハードウェアによる3Dアクセラレーションをサポートしていない。そのため、オープンソースかつ3Dアクセラレーションをサポートするドライバが求められていた。

 Nouveauは米Red Hatに所属するDavid Airlie氏らが主導しており、Red HatがサポートするLinuxディストリビューション「Fedora」ではすでに採用されている。ただし現時点ではドライバは完全ではなく、3D機能は公式にはサポートされていないようだ。

 また、「Block I/O Controller」や高可用性クラスタを実現する分散ストレージシステム「DRBD(Distributed Replicated Block Device)」、SwapページをディスクのSwap領域に記録するのではなくメモリに圧縮して保管することでパフォーマンス向上を図る「Compcache」など、多数の新機能が追加されている。

 そのほか、性能解析機能「perf」の強化や、仮想化機能の「KVM(Kernel-based Virtual Machine)」の性能向上/機能強化などが行われている。以前は実験的サポート段階であったATI(米AMD)「Radeon」のKMS(Kernel-based Mode Setting)も正式サポートとなった。プラットフォームとして新たに任天堂の「Wii」と「Gemecube」もサポートされている。

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