KVMを強化した「Linux 2.6.32」登場

 Linus Torvalds氏は12月3日、最新のLinuxカーネル「Linux 2.6.32」を発表した。久しぶりに「新しいファイルシステムの追加がない」リリースとなったものの、「Btrfs」の強化などが行われている。性能の改善も特徴となる。

 最新版は、性能面の強化にフォーカスしたリリースとなった。仮想化技術KVM向けの性能強化としては、ユーザーランドのメモリ領域をスキャンして同じ内容を合わせる重複排除する「KSM(Kernel Samepage Merging)」が加わった。また、ブートシステム「Devtmpfs」が高速化、性能解析機能「perf」も強化され、「perf timechart」が追加された。

 ファイルシステムでは、このところ新しいファイルシステムの追加が続いたが、新しいファイルシステムの追加がないリリースとなった。だがカーネル2.6.29で最初に登場したファイルシステムBtrfsが強化され、ブロックレイヤのwritebackモードが大きく変わっている。これにより全体のメモリ性能が改善された。

 そのほか、一部Radeon系グラフィックカードの3次元グラフィックに対応、IntelとRadeonでのKMS(Kernel-based Mode Setting)をはじめ、ドライバも多数更新されている。

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