起動時間を高速化した「OpenOffice.org 3.2」が登場

 OpenOffice.org Communityは2月11日(ドイツ時間)、オープンソースのオフィススイート最新版「OpenOffice.org 3.2」を発表した。Windows、Linux、Solaris、Macに対応、プロジェクトのWebサイトより各言語版をダウンロードできる。

 OpenOffice.orgはワープロ「Writer」、表計算「Calc」、プレゼンテーション「Impress」、図形描画「Draw」、数式エディタ「Formula」、データベース機能「Base」などのアプリケーションで構成されるオフィススイート。米Oracleによる米Sun Microsystemsの買収により、プロジェクトは現在Oracleの支援を受けている。

 OpenOffice.org 3.2では起動時間の短縮や対応ドキュメントフォーマットの改善などが大きな特徴となる。従来はOpenOffice.orgの一部コンポーネントをあらかじめロードしておく「QuickStart」という常駐プログラムを利用していたが、OpenOffice.org 3.2ではこれを利用しない場合でも起動が高速化されたという。たとえばCalcやWriterの起動時間を見てみると、バージョン3.0と比較して最大46%短縮、約6秒で起動可能となったとのこと。

 ドキュメントフォーマットとして「Open Document Format(ODF)1.2」に対応、そのほかパスワード保護がかかっている「Office 2007」形式ファイル(「.docx」「.xlsx」「.pptx」など)にも対応している。米Adobe SystemsのPostscriptベースのフォント「OpenType」にも対応した。

 そのほか、CalcではピボットテーブルやOLEオブジェクトの読み込みが可能となり、セルの罫線は複数オプションから選択可能となるなど、多数の機能が加わった。ソート、フィルタ、統計などの機能も強化され、複雑なコピー&ペーストにも対応する。

 「Chart」モジュールではユーザビリティを改善した。データラベルが強化され、Chartウィザードで選択できるチャートタイプも増えた。

 2008年10月に公開されたバージョン3.0は、メインのダウンロードサイトだけで1億回以上のダウンロードがあったという。OpenOffice.org 2系のサポートは2009年12月で終了しており、開発チームは最新版を利用するよう呼びかけている。

OpenOffice.org
http://www.openoffice.org/

「OpenOffice.org 3.2」ダウンロード
http://download.openoffice.org/