「iPadはiBad」、FSFが米AppleにDRM利用停止を呼びかけ

 フリーソフトウェアを推進するFree Software Foundation(FSF)は1月27日(米国時間)、米Appleの新製品「iPad」のローンチに合わせてAppleのDRM利用に対して改めて抗議するキャンペーンを開始した。AppleのCEO、Steve Jobs氏にDRMを利用しないよう訴える電子署名運動も継続する。

 最新のキャンペーンは、FSFの反DRMキャンペーン、Defective by Designの下で展開するもので、キャンペーンチームは27日、Appleが米サンフランシスコで開催したiPadローンチイベントにて「Apple Restriction Zones」を設けてAppleのDRM利用の危険性について来場者に説明した。

 Appleは自社製品でDRMを利用することで、Appleの公式ストア以外からはソフトウェアをダウンロードできないようにしている、とFSFは主張している。「われわれの社会はコンピュータインフラへの依存を強めており、(AppleのDRM利用に)注意する必要がある。コンピュータを管理・コントロールするのはユーザーであり、制限を設けるというSteve Jobs氏の行為は自己利益のためにわれわれの自由を危険にさらすものだ」とFSFの執行ディレクター、Peter Brown氏は述べている。

 DRM利用はAppleではなく、パブリッシャーに責任があるという意見については、「iPhone」やiPadでパブリッシャーにDRMをオプトアウトする選択肢を提供していない、と反論している。

 FSFは電子書籍について、米Amazonに対してもDRMフリー化を呼びかけている。

Free Software Foundation
http://www.fsf.org/

Defective by Designキャンペーンページ
http://www.defectivebydesign.org/ipad