OpenBlockS 600を運用してみよう!――初期設定とWeb管理インターフェイスの利用

 ぷらっとホームから新たに発売されたOpenBlockS 600は、従来モデルから大幅にハードウェアの機能がアップしているのと同時に、ソフトウェア的にも大幅な更新が加えられ、より使いやすいものになっている。今回は、大きく強化されたWeb管理インターフェイスの使い方を中心に、OpenBlockS 600のセットアップに関して見ていこう。

OpenBlockS 600ソフトウェア概要

 OpenBlockS 600にデフォルトで搭載されているOSは、ぷらっとホームが開発する「SSD/Linux」だ。OpenBlockS 600はストレージとしてオンボードのフラッシュメモリとコンパクトフラッシュを備えており、カーネルや通常利用するコマンド類はオンボードのフラッシュメモリ内のinitrdイメージに納められている。通常はこれを使用してシステムを起動することになる。

 一方、コンパクトフラッシュのほうは「/usr/pkg」に自動的にマウントされる。OpenBlockS 600の大きな特徴の1つに、大幅に機能強化されたWeb管理インターフェイスや、インターネット経由でアプリケーションをインストールできるアプリケーションマネージャがあるが、これらはこの/usr/pkg以下(つまりコンパクトフラッシュ上)にインストールされている。また、アプリケーションマネージャでインストールしたアプリケーションも/usr/pkg以下にインストールされる。

 アプリケーションマネージャに関しては今回のOpenBlockS 600の大きな目玉の1つであり、第4回で詳しく取り上げる予定だ。詳しくはそちらを参照していただきたい。

 なお、initrdを使わずに、コンパクトフラッシュからOSを起動することも可能だ。たとえば対応OSとして挙げられている、Debian GNU/LinuxのPowerPC版をコンパクトフラッシュに導入すれば、Debianマシンとして利用できる。ただし、その場合はSSD/Linux上で動作するWeb管理インターフェイスは利用できなくなってしまう。

OpenBlockS 600の初期設定

 以上のような特徴を持ったOpenBlockS 600であるが、ここからは実際にOpenBlockS 600の電源を入れてからの設定手順と、Web管理インターフェイスによる設定手順を見ていこう。

 前述のようにOpenBlockS 600には、基本的な設定やアプリケーションの管理を行うためのWeb管理インターフェイスが搭載されている。OpenBlockS 600をネットワークに接続する前に、まずはこのWeb管理インターフェイスを使って初期設定を行う。

 初期設定の方法は付属のマニュアルにて解説されているが、OpenBlockS 600のイーサネットポート1(ETHER-1)と初期設定オペレーション用のPC(以下、設定用PC)のイーサネットポートを付属のクロスケーブルで直接接続し、Webブラウザで設定用PCからOpenBlockS 600にアクセスすることで行う(図1)。

図1 初期設定時の接続構成
図1 初期設定時の接続構成

 工場出荷状態では設定用PCにIPアドレスを割り振るために、ETHER-1上でDHCPサーバーが稼働している。そのため、初期設定を行ってOpenBlockS 600のネットワークの設定を適切な状態にするまでは、オフィスなどにある稼働中のネットワークに接続しないほうが良いだろう。1つのネットワークに複数のDHCPサーバが稼働していると、IPアドレスの割り振りに問題が発生する可能性があるからだ。

 設定用PCのOSは、JavaScriptに対応した標準的なWebブラウザさえ動作すればどのようなものでも構わない。ただし、WebブラウザでProxyを利用するよう設定を行っている場合はそれを解除しておこう。

 DHCPを使用してIPアドレスを取得するように設定用PCを設定し、OpenBlockS 600のETHER-1と接続してOpenBlockS 600を稼働させると、設定用PCに「192.168.254.0/24」のネットワーク(192.168.254.1~192.168.254.254)に属するIPアドレスが割り振られるはずである(手動で192.168.254.1など、192.168.254.0/24に属する適当なIPアドレスを設定しても構わない)。この状態でWebブラウザを起動して次のURLにアクセスすると、Web管理インターフェイスが表示されるはずだ。

http://192.168.254.254:880/

 最初に電源を入れた直後、まだ初期設定が終わってない段階では、ここで初期設定のための画面が表示される。

 初期設定の際、必須の設定は以下の3つである。

  1. ソフトウェア使用許諾の確認
  2. Web管理インターフェイスの管理者パスワードの設定
  3. ネットワークの初期設定
  4. 再起動

 順にこれらについて見ていこう。