2年ぶりのメジャーアップデート「PHP 5.3」正式版リリース

 PHP Development Teamは6月30日、オープンソースのスクリプト言語「PHP 5.3.0」の正式版をリリースした。名前空間など、「PHP 6」で実装を予定していた機能を盛り込んだメジャーアップデートとなる。

 2006年に「PHP 5.2」をリリースして以来のメジャーアップデートとなる。最新版では名前空間をサポート、衝突することなく、さまざまな空間で同じ名前を利用できるようになった。これまで遅延束縛がインスタンスメソッドのみでサポートされていたが、最新版では遅延静的束縛機能を搭載、静的継承のコンテキストで呼び出し元のクラスを参照できる。クラスメソッドの呼び出しに動的あるいは静的束縛を利用するかどうかを決定できるようになった。

 このほか、ラムダ形式関数とクロージャ、サイクルガベージコレクタ、gotoの導入、デフォルトコンパイラのGCCからCCへの変更など多数の新機能が加わった。MySQLクライアント/サーバープロトコルをlibmysqlからmysqlndに変更、ext/phar、ext/intl、ext/fileinfo、ext/sqlite3、ext/enchantなどの拡張もバンドルされた。また、140件以上のバグを修正した。

 一方、ext/mhash、ext/msql、ext/pspellなどの拡張、Zend Engine 1(PHP 4)との互換モードzend.ze1_compatibility_modeなどが削除された。

 最新版のソースコードとWindows用バイナリはPHP Quality Assurance TeamのWebサイトより入手できる。PHP 5.2から5.3へのマイグレーションガイドも公開している。

PHP Development Team
http://www.php.net/

「PHP 5.3.0」ダウンロード
http://php.net/downloads.php#v5.3.0