Emacs超入門[1]:Emacsの基本的な使い方とショートカットキー 3ページ

Emacsの基本 – キーバインドを知る

 上記で紹介しているNTEmacsやCarbon Emacsなどはメニューバやツールバーが用意されており、マウスでの操作が可能だ。ただし、すべての機能にメニューバーやツールバーからアクセスできるわけではなく、一般的なGUIエディタで多用される右クリックメニューも用意されていない。そのため、使いこなすにはショートカットキーを駆使する必要がある。

 たとえば、カーソルを1画面分下にスクロールするには、Ctrlキー(Mac OS Xの場合はControlキー)を押しながら「V」キーを押す、という操作を行う(表1)。また、逆に1画面分上にスクロールするにはAltキー(Mac OS Xの場合はCommandキー)を押しながら「V」キーを押す(もしくはEscキーを押した後、続けて「V」キーを押す)、という操作になる。

 Emacsでは、Ctrlキーを押しながらほかのキーを押す操作を「C-<同時押しするキー>と表記する。たとえばCtrl+Vというショートカットキーは、Emacsでは「C-v」と表記する。また、Altキーを押しながらほかのキーを押す操作は「M-<同時押しするキー>」と表記する。「M」は「Metaキー」(Emacsが登場した当時のコンピューターに備えられていたキー)のことで、WindowsではAltキー、Mac OS XではCommandキーに割り当てられている。また、Escキーに続いて指定したキーを押すことでも代用できる。

 また、連続してショートカットキーを入力する2ストロークショートカットキーもある。たとえばEmacsを終了するには「C-x C-c」というショートカットキーを使用する(Ctrlキーを押しながら「X」キーを押した後、続けてCtrlキーを押しながら「C」キーを押す、という意味)。また、正規表現を使用した検索を行うには、「C-M-s」というショートカットキーだ。これは、CtrlキーとAltキーと「S」キーを同時に押す、という操作だ。

 なお、すべてのコマンド入力やコマンドの実行は、実行中に「C-g」ショートカットを押すことで中止できる。もし間違ったショートカットを入力した場合は、慌てずに「C-g」を入力しよう。

表1 カーソルの移動や編集を行うショートカットキー
ショートカットキー 動作
C-f カーソルを1文字分右に動かす
C-b カーソルを1文字分左に動かす
C-p カーソルを1文字分上に動かす
C-n カーソルを1文字分下に動かす
C-a カーソルを行頭に動かす
C-e カーソルを行末に動かす
C-d カーソル位置にある文字を削除する
C-m カーソル位置に改行を入れ、カーソルも次の行頭に移動
C-o カーソル位置に改行を入れるがカーソル位置は移動させない
C-v カーソル位置を1画面分下に動かす
M-v カーソル位置を1画面分上に動かす
M-ファイルの先頭にカーソルを移動
M-> ファイルの末尾にカーソルを移動
C-l カーソルがある行がウィンドウの真ん中になるようスクロール
C-_ アンドゥ
C-g コマンド入力/実行を中止