不況でLinuxの活用が増加、課題は相互運用性とサポート──米Novell/IDC調査

 厳しい経済環境を受け、IT部門ではコスト削減の理由からLinuxを活用する機運が高まっているようだ。米IDCの調査によると、企業の72%が、2009年中にサーバーでLinux利用増を決定・または意欲的に検討中であることがわかった。

 この調査は、IDCが今年2月、世界各国のシニアレベルのIT担当者約300人を対象に、Linuxの利用動向について聞いたもの。業種は金融サービス、製造業、政府機関、小売業などで、利用中のシステムはLinuxが55%、UNIXが39%、Windowsが97%と、多くが異機種混在環境。米Novellが調査に出資した。

 調査では、半数以上の回答者が「2009年、Linuxの採用を増加する」と回答した。サーバー側で「Linuxの利用増加を決定した・または意欲的に検討中」と回答した人は72%で、デスクトップでは68%となった。業種別では、小売業で比率が高く、サーバーLinuxは69%、デスクトップLinuxは63%となった。地域別では、アジア太平洋地区でLinux利用増の傾向が強く、サーバーでは73%、デスクトップでは70%がLinux利用増加を決定・検討中とした。

 Linux利用増の最大の理由はコストで、49%が「Linuxは今後5年の主要サーバープラットフォーム」と述べ、40%が今後1~2年間でLinuxサーバーのワークロード増を計画中と回答した。

 88%が「今後12~24カ月以内にLinux上での仮想化ソフトウェアの利用を増加する」と回答するなど、仮想化が大きな加速要因となっていることもわかった。

 課題はアプリケーションのサポートと相互運用性。67%が、「OSを選択する際、LinuxとWindows間の相互運用性と管理が最も重要な要因となる」と回答したという。

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