報道関係者お断りにて開催される、Linux Foundation主催End User Collaboration Summit
Linux Foundation主催のEnd User Collaboration Summitは、来る10月にニューヨーク市にて開催される予定となっている。そして同イベントの開催内容を告げるプレスリリースを入手したところ、そこには「本会は招待者のみでの開催ですが、“真の”エンドユーザに対して開放するという理念に従い、登録は無料とさせて頂きます」と書かれていたのだ。
ところで、同コンファレンスの参加登録フォームには、登録者の職種を問う“What type of constituent group do you belong to”という項目が設けられており、その中にある“Press/Analyst”(報道/アナリスト)ボタンを選択した結果、私は同イベントへの参加を拒否されたのだが、その際に感じた落胆の大きさを読者諸兄は理解して頂けるだろうか? この件を主催者側の広報担当者に問い合わせたところ、その返答は「マスコミ関係者の出席を認めないのは、開催中に出される意見やアイデア、あるいはバカげた質問の類が記録として残されるのではないかという不安を参加者に感じさせないようにするための配慮です」というものであった。そこで私は、今回のイベントからは他にどのような職種が閉め出されるのかについて、担当するPR事務所も含めたLinux Foundationのその他の関係者に繰り返し確認を試みたのである。例えばブロガーとされる人々も、その同席は他の参加者を萎縮させるという理由で、門前払いされるのだろうか? 警察権力や情報機関の関係者などはどう扱われるのだろうか? 今回、こうした疑問に対する回答は、何一つ得られなかった。
10月13日および14日にニューヨークまで足を運べるGNU/Linuxユーザ(ただしマスコミ関係者や業界アナリストを除く)であれば、その間に開催されるコンファレンスへの参加を是非とも希望するところだろう。そして今回のイベントに関して言うと、プロの報道関係者でなければ、自分のブログにてコンファレンスの内容を紹介することは可能だが、参加者による自由な発言を萎縮させないために個人的な情報には一切触れないようにしてもらいたい、という要望を主催者側の広報担当者は抱いているのだ。
同コンファレンスに参加してその内容を自分のブログで紹介したという方がおられた場合、Linux.comとしては、そうしたブログエントリへのリンクを喜んで張らせて頂くつもりである(あるいは記事として掲載するかもしれない)。その際のリンクアドレスの通知および問い合わせはeditors@linux.com宛てにてお願いしたい。読者諸兄にこうしたお願いをするのは、全GNU/Linuxユーザのうちごく一部しか今回のコンファレンスに足を運べないことも理由の1つだが、そこで何が行われたかは私たちすべてにとって重要な内容であるかもしれず、また企業メンバーのみならずすべてのGNU/Linuxユーザにとって有益な活動という観点から、何をLinux Foundationが取り組んでいるかを広く紹介するのは、全員の利益となるはずであろうからだ。
Linux Foundation(LF)は、Linux Torvalds氏への報酬支払いを始め、カーネル開発陣に対する支援活動を行っている。またアプリケーション開発者に関係する事業としては、一般的なGNU/Linuxディストリビューションすべてに変更無しで対応可能なコード構築を簡単化するための活動を推進しているLinux Standard Baseも、同団体の主催である。つまりLFという団体の活動方針の一部について「個人ユーザを蔑ろにして大企業のみを優先しているよう感じられる」と声高な批判を展開するのはある意味簡単なことではあるが、その一方でLFがGNU/Linuxユーザの全体の利益となるサポートに優れた貢献をしているのも1つの事実なのだ。