ブラジルら5カ国、OOXMLの承認についてISOに再抗議

 今年4月の「Office Open XML(OOXML)」の国際標準化機構(ISO)承認に対し、南半球の国々が異議を唱えている。南アの標準化団体の代表者は8月30日、ISOに対する抗議文が南半球のフリーソフトウェア支援団体「CONSEGI」の声明文として採択されたことを明らかにした。

 声明文は、南ア、ブラジル、ベネズエラ、エクアドル、パラグアイ、キューバの6カ国の標準化団体の代表者が連名で記したもの。CONSEGIは南米を中心とした南半球のフリーソフトウェア支援団体で、年次カンファレンスでこれを同団体の声明文として採択した。

 声明文はまず、ISOと国際電気標準会議(IEC)が8月、ブラジル、南ア、インド、ベネズエラの4カ国の異議申し立てを退けたことを遺憾としている。各国は「DIS(国際規格案)29500」(OOXML)の早期承認プロセスに深刻な懸念を示しており、ISO側が調停パネルの形で自分たちの懸念に対応しなかったことは、国際標準開発機関の健全性を欠くものだと非難している。

 そして、1)DIS 29500の早期承認プロセスについての懸念、2)既存標準である「ISO/IEC 26300」(OpenDocument Format)とのオーバーラップ、3)オフィス文書の国際標準の採用は時間と費用がかかるものである、の3つを改めて提示した。

 最後に、ISOとIECが自身の規定に沿っていないことから、オープンでベンター中立な標準設定団体であるとは思えない、と記し、これまでのようにISO/IEC標準を重視しない姿勢を明らかにした。

CONSEGI
http://www.consegi.gov.br

国際標準化機構(ISO)
http://www.iso.org