NECが仮想化環境の管理ソフトを発表、VMwareとXenを一元管理可能に――マイクロソフトのHyper-Vとの統合/仮想マシンのコンバートも視野
同ソフトは、サーバ/ストレージ/ネットワークなどのプラットフォーム管理に特化しており、異なる仮想化環境で構築された仮想サーバに加えて、物理サーバも単一コンソールで管理できる点が最大の特徴である。
同ソフトは物理サーバ100台を管理可能で、物理サーバの管理台数を増やす場合は、100台単位で管理機能を拡張していくことになる。なお、仮想サーバの管理台数に制限はないという。
現状、同ソフトはESX ServerとXenServerの2つの仮想化ソフトを統合管理するのみだが、NECのクライアント・サーバ販売推進本部グループマネージャー、本永実氏は、「いずれMicrosoftの『Hyper-V』も統合していく方針だ」と語っている。さらに、同ソフト上で「(ESX ServerとXenServer)それぞれの仮想マシンを相互にコンバートできるようにする」(同氏)考えだという。
また、NECは、仮想化ソフトを組み込んだブレード・サーバおよびラック・マウント型サーバ「Express5800」シリーズを、2008年第1四半期に製品化すると発表した。同製品は、米国VMwareが今年9月に発表したサーバ組み込み型仮想化ソフト「VMware ESX Server 3i」(関連記事)を搭載したものとなる。
VMwareがESX Server 3iでねらうのは、仮想化市場のさらなる裾野拡大である。仮想化機能が組み込まれたサーバは、仮想化環境を容易に構築できるようになるため、仮想化に対する敷居を下げることにつながると期待されている。さらに、リーズナブルな価格に設定することで普及を後押しする考えのようだ。本永氏によれば、「これまでのESX Serverの半額ほどが(価格の)目安になる」という。
NECは、Express5800シリーズのハードウェア構成には一切変更を加えず、ESX Server 3iを格納した標準的なUSBメモリを追加するだけで、仮想化機能組み込み型サーバを製品化する予定だ。USBメモリの容量については、ハイパーバイザの二重化、管理ツールの有無などによりその容量が変化するため、現状で明言は避けている。
仮想化機能組み込み型サーバの製品化に先立つ形で、仮想化環境の物理基盤として最適化したブレード・サーバの新製品3モデルを、今年12月17日に出荷開始することも明らかにした。クアッドコアCPUを搭載し、仮想化環境での性能向上を図った製品である。
また、仮想化の技術支援体制を強化するため、VMwareの認定資格であるVCP (VMware Certified Professional)取得者も増員する。現在、35名いるVCP取得者を今後1年以内に120名以上に拡充する計画だ。デルも今年10月にVCP取得者を増員しており、ベンダー各社がサーバ仮想化における顧客サービスの充実に向けて本腰を入れてきていることがうかがえる。
(山上朝之/Computerworld)
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