マイクロソフト、「Windows Live」の正式版を発表
今回正式発表されたのは、Windows Liveの共通インストーラである「Windows Liveおすすめパック」、写真や動画を管理/共有/編集できる「同フォトギャラリー」、IM(インスタント・メッセージング)ソフトの「同 Messenger 2008」、複数のメール・アカウントを一括管理できる「同メール」、ブログを編集/作成できる「同Writer」、イベントの開催をサポートする「同イベント」、情報収集をサポートする「同Agents」である。
発表に登壇した同社の代表執行役兼社長を務めるダレン・ヒューストン氏は、「Windows LiveはPCとWeb上のサービスの両方のよさを統合したもので、われわれが提唱している『ソフトウェア+サービス』を具現化したものだ。Windows Liveによって、すべてのデジタル・デバイスをシームレスに活用できるという『デジタル・ライフスタイル』がさらに進化する」と語った。
今回の発表には、米国MicrosoftCEOのスティーブ・バルマー氏も登場した。バルマー氏は「モバイル環境も含め、日本は2011年までに100%ブロードバンド化する。またデジタル化も急速に進んでおり、10年後にはテレビや印刷メディアは、すべてデジタル化されて配信されると確信している」としたうえで、「そうなればインターネットで提供されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やブログのようなサービスの重要性は増す。今後はこれらのサービスと、ソフトウェアで提供されるリッチ・アプリケーションを融合させることがユーザー・エクスペリエンスを充実させるものになる」と力説した。
バルマー氏はWindows Liveの収益は広告収入であると説明し、「昨年、(Windows Liveを統括する)オンライン事業部は損失を出したが、これはWindows Live Searchを中心に多くの投資を行っていたからだ。今年は年間20億ドルの広告収入があると見込んでいる」と強気の姿勢を見せた。
今回Windows Liveで提供されるサービスは、この分野の市場リーダーであるGoogleが提供するサービスと競合するものが多い。Googleが提供するサービスについて感想を求められたバルマー氏は、「インターネット検索の分野ではGoogleが先行しているが、Windows Liveに包含されるサービスでGoogleのほうが先行しているものはない。(利用している)ユーザー数はわれわれやYahoo!のほうが多い」と語った。
さらにバルマー氏は、有料で提供していたソフトウェアの一部を、今後は無料で提供する可能性があることを示唆したうえで、以下のような見解を明らかにした。
「今後のビジネス・モデルは“複合型”(mix)になる。エンタープライズ分野では広告収入モデルを採用することはない。一方、コンシューマーを対象としたビジネス・モデルでは、オンラインを中心とした広告収入モデルとソフトウェアを購入していただくライセンス・モデルがある。ユーザーのデジタル・ライフスタイルに合わせ、よい形態のモデルを選択できるようにしたい」
また、Googleが11月5日に発表したオープンソースの携帯電話向けアプリケーション開発プラットフォーム「Android」についてバルマー氏は、「(Googleは)努力していると思うが、プレスリリースが発表されただけで実態がないため、われわれの製品と比較のしようがない。Windows Mobileは世界50カ国以上で150を超えるパートナーから支持されており、2,000万のユーザーがいる。とりあえずは“Welcome to the world”と歓迎しよう」と余裕を見せた。
(鈴木恭子/Computerworld)
マイクロソフト
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