Microsoftが統合コミュニケーション・サービスの提供を計画中――ホステッド・サービスとしてさまざまなアプリケーションと連携
Microsoftは現在、音声、ビデオ、テキストなどの連携を実現する統合コミュニケーション・ソフトウェア「Office Communications Server 2007」の開発を進めており、10月16日に会長兼CSA(チーフ・ソフトウェア・アーキテクト)のビル・ゲイツ氏が出席するサンフランシスコのイベントで同製品を発表する予定だ。
しかし、Microsoftは同時に、これらの機能をサービスとして提供するプロジェクトにも取り組んでいるという。
Microsoftの首席グループ・プログラム・マネジャーのウォーレン・バークリー氏は、21日の早朝に行われたVoiceConのパネル・セッションの最後に、同プロジェクトについて補足的に言及した。提供開始時期などの詳細は明らかにしなかった。
バークリー氏は、パネル・セッションで、多様化する小規模企業の要求を満たす必要性を強調した。小規模企業は大企業とは異なり、世界中の従業員と連絡を取るためのコミュニケーション・システムを構築/運用するためのITリソースを持っていないのが一般的であるからだ。
MicrosoftはすでにホステッドWeb会議サービス「Live Meeting」を提供しており、CRM(顧客関係管理)などのアプリケーションをサービスとして提供する取り組みも開始している。
統合コミュニケーションをサービスとして提供する主要なメリットの1つは、音声やそのほかのコミュニケーションをビジネス・アプリケーションに統合できることであり、新サービスの提供が実現すれば、Microsoftの多彩なアプリケーションとの統合が現実味を帯びることになる。
Microsoftの統合コミュニケーション・グループ担当コーポレート・バイスプレジデントのグルディープ・シン・パール氏は21日、IDG News Serviceのインタビューに応え、「顧客は製品がさまざまな方法で提供されることを望むものであり、サービスとしての提供を多くの顧客が望むのなら、当社はその要求に応えるだろう」と述べた。
同氏によると、新たな統合コミュニケーション・サービスは、Microsoft自身か、パートナー経由か、あるいは両者の連携によって提供されることになるが、その詳細はまだ検討中であるという。
MicrosoftとCisco Systemsは20日に、両社の製品を連携させると発表したが、Ciscoは統合コミュニケーションでは依然としてMicrosoftのライバルである。
Ciscoは今年初め、ホステッド・コラボレーション・プロバイダーのウェブエックスを買収したが、統合コミュニケーション自体をネットワークベースのサービスとして提供する件については多くを語っていない。
ウェブエックスは一連のアプリケーションをサービスとして提供する「WebOffice」をすでに提供しているが、Ciscoは少なくとも買収発表の時点では、本格的なSaaS(サービスとしてのソフトウェア)ベンダーになる計画はないと言明している。
(スティーブン・ローソン/IDG News Service サンフランシスコ支局)
米国Microsoft
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提供:Computerworld.jp