KDDIとマイクロソフト、携帯・PC問わず企業内コミュニケーションできるSaaS

 KDDI(小野寺正代表取締役社長兼会長)とマイクロソフト(ダレン・ヒューストン代表執行役社長)は6月27日、企業向けSaaS(サーズ:Software as a Service=サービス型ソフトウェア)型アプリケーションサービスを共同で開発・提供すると発表した。Windowsプラットフォームをベースとしたもので、PCだけでなく携帯電話などのモバイル端末でも利用できるのが特徴。第1弾として、Outlookをau携帯電話でもシームレスに利用できるような企業内コミュニケーションウェアを提供する。

 発表会見でKDDIの田中孝司取締役執行役員常務・ソリューション事業統括本部長は、「固定通信とモバイルの両方を持つKDDIのネットワークで、PCやモバイルといった、端末を選ばない高品質サービスを展開していく」と述べ、柔軟なアクセス環境を構築しながらも、サポートや請求などの一本化といった、顧客からの要望が高い「ワンストップサービス」を実現するとした。

 KDDIが提供するのは、マイクロソフトの電子メール、スケジュール、企業内文書管理、モバイルアクセスなどを統合して提供する基幹ソリューションソフトのHMC(Microsoft Solutions for Hosted Messaging & Collaboration)と、データや音声、映像システムを連携できる通信事業者向け統合サービス基盤ソフトのCSF(Microsoft Connected Services Framework)を利用したサービス。

 課金モデルとしては、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末や固定通信回線とアプリケーションが一体となった月額料金で提供。「メールなどの基本機能で1000-2000円をベースとして、追加利用するアプリケーションで料金が加算される」(田中孝司本部長)体系をとる。

 第1弾として、08年3月からマイクロソフトのOutlookのスケジューラ機能やメール、アドレス帳機能をau携帯電話端末で利用できるサービスと、企業が社内で使うアドレスをau携帯電話端末で使用できるサービスを開始する。またKDDIの得意とする位置情報サービスを活用したアプリケーションも開発していく。

 さらに第2弾として、アプリケーションパートナーやソリューションパートナーをサポートするプログラムも提供。メールなどのビジネスコミュニケーションウェアだけでなく、プラットフォームを提供してERPソフトや財務・会計ソフトなどのアプリケーションパートナーと提携する。賛同パートナーはオービックビジネスコンサルタント(OBC)や大塚商会など7社。

 KDDIとマイクロソフトは同日、共同で市場開拓を開始し、10月にアプリケーションパートナー支援の詳細を発表する予定。田中本部長は「中小企業をターゲットにまず100万件のユーザーIDの獲得を目指し、モバイルにも対応したSaaSのパイオニアとしてシェア過半数の獲得を目指す」と意気込みを語った。

KDDI=http://www.kddi.com/
マイクロソフト=http://www.microsoft.com/japan/

提供:BCN