Google、電話通信管理サービス・ベンダーのグランド・セントラルを買収――通信サービス強化の一環として、IMに統合か

 米国Googleは7月2日、電話通信管理サービス・ベンダーの米国グランド・セントラル・コミュニケーションズを買収したと発表した。買収金額は明らかにしていない。

 グランド・セントラルは、ユーザーが持つ複数の電話番号と音声メールを、単一のアカウント(番号)に統合し、Webベースで管理するサービスを提供している。ユーザーは自宅の固定電話、携帯電話、会社の音声メールなどを1つのアカウントで管理できるので、例えば会社の音声メールを外出先で聞くことも可能だ。また発信番号に応じて、あらかじめ設定した電話で受けることもできる。

 Googleがグランド・セントラルを買収するといううわさは先週、インターネット上を駆け巡った。グランド・セントラルの広報担当者は当初、このうわさに対する公式コメントの発表を拒否したことから、うわさはさらに広がっていった。

 Googleの発表を受け、グランド・セントラルは「この買収を歓迎している。(Googleに買収されたことで)われわれは長期にわたってサービスを提供することが可能になった」というコメントを発表した。なお、Googleは、買収後もグランド・セントラルの既存ユーザーへのサポートを継続させることを明言している。

 今回の買収でGoogleは、同社が提供するIM(インスタント・メッセージ)の「Google Talk」などを強化し、グランド・セントラルの持つ技術を利用して新サービスを追加すると見られている。ただし、具体的な新サービス内容は、明らかにされていない。

 一方、グランド・セントラルは、買収後は一部の機能が利用できなくなることを明らかにした。これはサウンド・ファイルに関する機能で、今まではユーザーが作成したサウンド・ファイルをアップロードし、呼び出し音として利用できていたものが、買収後はサウンド・ファイルをアップロードすることができなくなるという。ただし、オンライン経由でサウンド・ファイルをダウンロードし、呼び出し音に利用することは可能だという。

(ナンシー・ゴーリング/IDG News Service シアトル支局)

米国Google
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提供:Computerworld.jp