Webアプリケーションをオフラインで利用可能にするGoogle Gears API

 今朝(5月31日)、オーストラリアのGoogle Developer DayでリリースされたばかりのGoogle Gearsは、開発者がJavaScriptを利用してオフラインのWebアプリケーションを機能させることができる「オープンソースのブラウザ拡張機能」である。

 Linux、Mac OS X、Windowsで動作する各種プラグインが、FirefoxやInternet Explorer向けに提供されている。SafariやOperaに対応したプラグインも近々入手できるようになる。GoogleのGears API Blogでは、エンジニアのAaron Boodman氏とErik Arvidsson氏が、Google Gears APIについて「まだ少し粗削りなので洗練化が必要だが、早期リリースに踏み切るのは、Gearsを本当に使えるものにする最善の方法がオープンスタンダードへと進化させることだからだ」と述べている。

 「我々はGearsをオープンソースプロジェクトとしてリリースしており、誰もにとって適切なソリューションにするためにAdobe、Mozilla、Operaをはじめとする業界のパートナーとの連携を進めている」(Boodman、Arvidsson両氏)

 Googleのプレスリリースでは、Adobeのシニアバイスプレジデント兼チーフソフトウェアアーキテクトKevin Lynch氏が、Gears APIはデスクトップ環境で各種Webアプリケーションを実行可能なAdobeの「クロスOSランタイム」であるApolloで利用可能になる、と述べている。

 このAPIは、次の3つのモジュールで構成されている。

  • LocalServer:「WebアプリケーションによるHTTPリソースのキャッシュや、ネットワークに接続しないローカルでのサービス提供を可能にする」
  • Database:オープンソースのSQLiteを使って「JavaScriptのWebアプリケーションにブラウザローカルのリレーショナルデータベース機能を提供」
  • WorkerPool:「Webアプリケーションにおいて、メインページのスクリプト実行を妨げることなくJavaScriptコードのバックグラウンド実行を可能にする」

 Google Readerのユーザは、本日(5月31日)から、Google Gearsと「コンピュータがインターネットに接続していなくても最近2000件分の項目を閲覧できる」新しい「オフライン」機能を試すことができる。頻繁に飛行機を利用する人や、ネットワーク接続機能のない時代遅れの会議室にこもる人には朗報である。まずはGoogle Gearsのインストールが必要だが、そのためにはGoogle Readerホームページの上のほうにある「New」という赤いアイコンの付いた「Offline」リンクをクリックし、自分のGmailアドレスを入力するだけでよい。

 詳しく吟味するために他のサンプルアプリケーションを入手したり、コードをダウンロードしたりすることもできる。とっかかりになる開発者向けガイドやチュートリアルも用意されている。このチュートリアル「Gearsを使ってスタティックファイルをオフラインで動作させる」には、「マニフェストファイルを作成してファイルをオフラインで利用できるようにする方法」が記されている。

Shirl Kennedyは、ブログ「DocuTicker」および「ResourceShelf」のシニアエディタ。『Information Today』紙にも「Internet Waves」というコラムを寄稿。1982年からテクノロジに関する執筆で活躍している。

NewsForge.com 原文