「Microsoft社による特許侵害の申し立てはFUD」──Torvalds氏とMoglen氏の意見が一致

 Microsoft社がFortune誌の記事において、フリーソフトウェアに対して新たな威嚇攻撃を仕掛けた。Linux.com編集部では記事の該当部分を読んだ後、「Linuxカーネルは42件のMicrosoft社所有の特許を故意に侵害している」というMicrosoft社の主張について、Linuxカーネルの生みの親であるLinus Torvalds氏にコメントを求めた。

 取材に対しTorvalds氏は次のように答えた。

 まずは侵害しているとされる具体的な特許のリストを見せてもらえないだろうか。というより、そもそもそれは単にFUDに過ぎないので、それに対して僕がコメントしたり対応したりできることはあまり多くない。先行技術はないのか?その分野の技術者にとっては取るに足らない当たり前のことではないのか?その技術の使用を回避する必要はあるのか?現時点ではFUDしか聞いていないので、僕らにはそのようないずれの点についても何も分からない。

 MSが本当に僕らに対して特許の侵害を「やめてほしい」と思っているのなら、僕らにそう言ってくるだろう。しかし実際には言ってきていないので、それはつまり、MSにとっては実のところFUDを行なう方が好ましいということなのだろう。

 Torvalds氏とFSF(フリーソフトウェア財団)顧問弁護士のEben Moglen氏の考え方はいつも一致しているとは言い難いものがあるが、この件に関しては意見が一致したようだ。Moglen氏は先週サンディエゴで開催されたRed Hat Summitの講演の中で、実際に訴訟を起こすよりも訴訟を起こすと脅すことの方が現実的な効果を得られることが多いと述べていた。その理由は、実際に訴訟を起こすと、侵害にあたる特許がどれかを具体的に挙げるとともに、その特許の有効性を示すことが必要になるためとしていた。

NewsForge.com 原文