Better GmailでGmailをもっと使いやすく
Better Gmailに含まれているスクリプトはいずれも独立したグリースモンキー・スクリプトとして入手可能なものだ。しかし、自分の欲しい機能を持つスクリプトを一つずつ探し出してインストールしたいという人はいまい。Better Gmailは、そうした有用なスクリプトを簡単に扱える便利なパッケージとしてまとめたものだ。これを使えば、グリースモンキー・スクリプトをインストールする必要がなく、しかも各スクリプトの有効/無効を変更してGmailの使い勝手を調整することができる。
LifehackerがFirefoxの許可サイト(そこにあるソフトウェアのインストールが許可されるサイト)に指定されているとは考えにくい。そこで、ファイルを自分の手でダウンロードしインストールする手順を説明しておこう。まず、ファイルをダウンロードする。ファイル名は、bettergmail_0.3.xpiなどとなっているはずだ(バージョン番号は変わりうる)。次に、Firefoxのメニューから「ファイル」→「ファイルを開く」の順に選び(ここまでの操作はCtrl-o
でもよい)、ダウンロードしておいたファイルを選択する。ここから先は、Firefoxの指示通りに操作すればよい。インストールしたら、Firefoxを再起動する。これで、改良版Gmailが使えるはずだ。
Better Gmailの開発は活発なので、新機能やアップデートが頻繁に登場する。実際、先週バージョン0.2をインストールしたと思ったら、数日後には0.3にアップデートされ、今は0.5だ。Firefoxにはアップデートの存在を通知する機能があり、アドオンの更新機能を使って適用することができる。
Better Gmailのパッケージには20ほどのスクリプトが収められている。これだけのスクリプトが簡単かつ一度にインストールできるわけだ。機能の有効/無効の設定は、次のようにして行う。まず、Firefoxのメニューから「ツール」→「アドオン」の順に選び、「Better Gmail」エクステンションを選択し「設定」をクリックする。すると、タブ形式のダイアログ・ボックスが開く。各タブにはスクリプトが並んでおり、それぞれの横にあるボタンで各機能の有効/無効を設定する。
以下、Better Gmailに含まれているスクリプトの中から、Gmail愛用者必携のエクステンションを紹介しよう。
Better Gmailのスクリプトを使って検索を保存しておくと、デスクトップ・クライアントが変わっても使える仮想的なフォルダーを作ることができる。たとえば、先週送った電子メールや特定のリスト宛に送ったもの、あるいは見出しに特定の語を含むものなどを一覧することができるのだ。通常のGmailでは検索を保存することはできないが、Better Gmailでは2通りの方法でそれが可能になる。
Better Gmailをインストールしたままの状態では、検索はクッキーの形でコンピューターに保存される。したがって、コンピューターをログオフしてもそれまでに保存した検索と最後に行った検索は残り、保存されている検索は画面左側にある黄色いボックスに表示される。この方法の主な欠点は検索が特定のコンピューターに保存されることだ。自宅と職場の両方でGmailを使っている場合、クッキーを同期するなどしない限り、自宅のコンピューターで行った検索を職場のコンピューターで再度実行することはできない。
検索を保存するもう一つの方法は少々裏技的で、Gmailの連絡先として保存する。したがって、どのコンピューターからでも利用することができる。どちらの方法でも、送信者、受信者、添付ファイルの有無、メッセージ・ラベルなど、Gmailの検索演算子を使うことができる。
私が気に入っている機能はMacrosだ。通常のGmailでもキーボードだけを使って操作可能だが、Macrosを使えばそれがぐっと簡単になる。たとえば、「G
」を押しラベルの最初の数文字を入力すれば該当する受信トレイやラベル・フォルダーに移動できるようになる。
また、マウスに一切手を触れずにメッセージを既読にしたりスパムとして処理したりラベルを追加/削除したりもできる。「h
」を押すと、利用可能なマクロのショートカットがGmailの画面上にオーバーレイの形で表示される。
Attachment Iconsは、Gmailの受信トレイにあるメッセージに添付ファイルの種類に応じたアイコンを表示する。たとえば、添付ファイルがPowerPointの場合はPowerPointのアイコンが、PDFの場合はPDFのアイコンが表示されるようになる。
また、Google Readerを利用している場合は、Gmailの中でお好みのフィードが読めるようにもできる。Google ReaderがGmailの中に埋め込まれるのだ。受信トレイなどのGmailフォルダーの隣にある「Feeds」をクリックするとメッセージ領域にフィードが表示される。
ただし、アカウント情報が画面右上とメッセージ領域右上の2か所に2重に表示される。これは、Google ReaderがGmailのメッセージ・ペインの中に埋め込まれるだけで、コンテンツがGmail自体の中に統合されるわけではないからだろう。これでも便利ではあるが、完全な統合が望まれる。たとえば、Google Readerで選んだメッセージがGmailの選択メッセージの中にも並んで表示されれば便利だ。また、Google Readerの中で検索できてもいい。
HTTPSを強制するスクリプトもある。通常のGmailの場合、セキュア接続でログインしてもセキュアではない接続にリダイレクトされてしまう。これは、セキュリティー上、好ましいことではない。HTTPS強制スクリプトを有効に設定すると、Gmailにログインしているときは常にHTTPSで接続されるようになる。
ところで、ファイルの添付を忘れて電子メールを送ってしまったことはないだろうか。Better Gmailには、それを防ぐための簡単なスクリプトも含まれている。このスクリプトは電子メールの本文に「attachment」などの語があるとファイルが添付されるべきものと判断する。そして、メッセージの送信時に添付を確認する表示を出す。ただし、完璧ではない。添付を意味する可能性のある「include」などの語はチェックしないからだ。しかし、ファイルを添付する際は「attachment」と書くように習慣づければ、その後は慌てることが少なくなるだろう。
通常のGmailにも簡易なフィルタリング機能があるが、もっと強力で使いやすいものが欲しいところだ。Better Gmailに含まれているスクリプトFilter Assistantは、表示中のメッセージから直接Gmailのフィルター機能を呼び出し(「フィルタを作成」ページを開かずに)、そのメッセージのFromヘッダーとToヘッダーから自動的にそれぞれのフィルタリング基準を設定する。したがって、フィルターを極めて簡単に設定することができる。
Gmailのインタフェースが気に入らない場合は、Super Cleanスクリプトを有効にしてみてはいかがだろうか。このテーマの方が、多少は目に優しいと思われる。このスクリプトはBetter Gmailをインストールした状態では無効になっているので、設定ダイアログで有効にする必要がある。筆者の場合は通常のGmailスキンの方がよいが(緑の方が好みなのだが)、もう少し凝ったものが好みの場合はSuper Cleanが適当かもしれない。
Gmailを長い間使っていると、スパム・カウントや招待ボックスなど、毎回同じものを見させられるのが嫌になってくる。今や、世界中の人がGmailにサインアップできるのだ。Better Gmailには、スパム・カウントや招待ボックスを隠すスクリプトもある。これを使えば、多少はすっきりするだろう。
最後に、メッセージをクリックして表示するまでの時間が待てない人向けのスクリプトを紹介しよう。このスクリプトを有効に設定すると、メッセージをじっくり読むのではなく、メッセージを右クリックするだけでメッセージ全文をオーバーレイの形で覗けるようになる。メッセージを確認したら、画面の最上部にあるツールバーで、そのメッセージをアーカイブするか、未読のままにしておくか、削除すればよい。
このように、Better Gmailが通常のGmailよりもベターなのは確かだ。Gmailを愛用しているなら直ぐにインストールすることをお勧めする。これまで以上に電子メールを楽しめるようになるだろう。
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