デスクトップの原点回帰を目指したLightweight X11 Desktop Environment

 既存プログラムを流用した上で軽快さを最優先で作られたLightweight X11 Desktop Environment(LXDE)は、特にテキストエディタを使った手間と時間のかかる設定を行うという点において、古典的なUnixプロジェクトを大いに彷彿とさせる存在である。実際デスクトップに表示されるフォントの品質が若干低めである点も、ビンテージプログラムらしき雰囲気を醸し出すのに貢献している。実用的な観点からすると、デスクトップ環境としての目新しい点は皆無に近いものの、その代わりにローエンドマシンでの使用にも充分耐え、最新のマシンであれば驚くほどの機敏さで動作する点を評価すべきだろう。

コマンドラインとGUIを融合するHotwire

 Hotwireの説明をしようとするとどうしても「コマンドラインGUI」や「グラフィカル・シェル」や「GUI xterm」というような矛盾しているように聞こえる表現になってしまう。しかし実際のところHotwireはそういうものなのだ。つまりHotwireはテキストベースのシェルと近代的なGUIのあいのこのような存在だ。

Xfce 4.4: 最良の軽量デスクトップ環境

KDEやGNOMEと比較するとハードウェア資源への要求が少ないことからXfceは何年もの間、旧式のハードウェア上で走るLinuxディストリビューション用の軽量デスクトップ環境として人気を博してきた。とりわけ256MB以下のメモリしか搭載していないマシンにとっては理想的なデスクトップ環境だ。だが最近になるまでXfceはやや使いにくいと感じる点もあった。しかし先月リリースされた最新版のXfceは、これまでと比べてずっと便利なデスクトップ環境に仕上がっている。

ROX Desktop――GNOMEやKDEより軽快に動作する癖の強いデスクトップ環境

ROX DesktopとはROX-Filerファイルマネージャを中核として構成された軽量型デスクトップ環境であり、その完成度にはGNOMEやKDEに匹敵するものがある。プロジェクト名のROXとは「RISC OS on X」の略称だとされている。ROX DesktopのパフォーマンスはIceWMを彷彿とさせるものがあり、各種プログラムの起動速度はGNOMEやKDEに比べて目に見えて速い。ただしこうした高速性は、デフォルト設定における冗長度を徹底的に切りつめることで成り立っているため、ユーザによってはそうした設計思想に不満を感じるかもしれない。

Linuxデスクトップ・アーキテクトたちが2007年の計画を立案

OSDL(Open Source Development Labs) 主催の 第3回 DAM(デスクトップ・アーキテクチャ会議) が米オレゴン州ポートランドで先週開催され、 Linuxデスクトップの開発を今後どのように進めていくのかについての議論が交わされた。 今回のDAM3にはHewlett-Packard社、X.org、Red Hat社、Nokia社、Intel社、 OpenWengo、AMD社、Xandros社、 Linuxprinting.org など多数の組織から40名を超える開発者が参加した。

Berylがコミュニティによって構築された見事な3Dデスクトップを披露

9月に報告した通り、ある開発者グループがSUSEのコンポジティングウィンドウマネージャCompizをフォーク(派生)させ、Berylと呼ばれるコミュニティベースのプロジェクトを創設した。この新プロジェクトは、最近Linuxのデスクトップ環境を熱くしている3D効果をサポートするための選択肢としてたちまち評判になった。今回、Ubuntu EdgyにBerylをインストールしてこの1週間をかけて使ってみたところ、確かに感銘深いものだが、予想された通り、幾分不安定なことがわかった。

Portlandプロジェクト:デスクトップ環境の分裂問題を解決する特効薬という幻想

OSDLによりPortlandプロジェクトに関する最初のリリースがアナウンスされたのは、この4月に開催されたLinuxWorld Bostonの席上であったが、その際に掲げられていた「a breakthrough in desktop Linux」(デスクトップLinuxにおけるブレークスルー)というお題目を目にした私は、疑わしげな感想を同僚にもらさずにはいられなかった。彼にとってそうした意見は予想外のものであったようで、腕利きのスタッフが参加しているのだから、そんなことはないだろう、と反論されてしまった。私としても、参加スタッフの知性や意欲に疑いを持っていた訳ではないが、彼らは銀の弾丸なり魔法の特効薬を調合できる錬金術師ではないのだから、プロジェクトの掲げた達成困難な目標は実現できないと思ったのである。

Symphony OSの進む道

Symphony OSは、徹底的な刷新をねらったGNU/Linuxディストリビューションである。もともとはKnoppixを、今はDebian stableをベースにしているが、Jason Spisak(Lycorisの共同創始者)の所謂ユーザ・インターフェイス・デザインに関するグレー・ペーパーに明示されているアイデアを実装することにより、大部分のディストリビューションから急速に差別化を図っている。Symphonyの実装はすべてのプラットフォームのUI関係の仮説に異議を申し立てることがよくある。また、Symphony OSのソリューションの短所が自ら問題を引き起こすこともある。どちらにせよ、私は2006年5月のベータ版の出来を調べながら、UIデザインについて考えないわけにはいかないと思った。Symphony OSは最終的な答を出してくれないときでさえ、無視されることがあまりにも多い、使い勝手に関する問題を提起する。

aDesklets: Linuxデスクトップ用のアイキャンディ

Mac OS Xデスクトップを見て、あんなアイキャンディがLinuxでも使えたらいいのにと思ったことはないだろうか。今やLinuxデスクトップをデスクレットで飾り付けることができるのだ。デスクレットとは、デスクトップ上で浮動する洒落た小さなウィンドウで、ウェザー・アップデート、システム・モニタ、カレンダなどの情報を表示するものだ。aDeskletsをインストールしておけば、一群のデスクレットをダウンロードしてインストールすることができる。

LinuxがWindows Vistaに拮抗する日

GNU/Linux系のオペレーティングシステムは、Windows Vistaよりもハードディスクへのインストール容量が少なく、機能的に多少劣ったコンピュータでも使用できるので、このまま何もしなくてもセールス面でVistaを“凌駕”できそうなものである。だが、その考えは甘い! Linux陣営が来るべきVistaの到来に積極的な対抗をするには、むしろより一層のハードウェア的なレベルアップを図る必要があるのだ。