企業コンピューティング15領域のテクノロジー・トレンド予測[後編]

空飛ぶ自動車、考える機械、部屋を掃除する子供たち──こうしたたぐいのものであっても、今はともかく、現実のものとなる日が来るかもしれない。だが、本稿で提示するのは、このようなあてずっぽうの占いではない。企業コンピューティングの15領域に関して、今日のテクノロジーをベースとして「次に来るテクノロジー」の予測を示す。なかには外れるものもあるだろうが、企業コンピューティングの未来像を考えるうえで、議論を深める一助になればと願っている。

ミラクルなど「Asianuxコンソーシアム」3社、中国・無錫市にAsianuxの合弁会社を設立

 ミラクル・リナックス(本社:東京都港区)、中国Red Flag Software(レッドフラグ・ソフトウェア)、韓国Haansoft(ハーンソフト)の3社は2007年12月20日、中国江蘇省無錫市に合弁会社「Asianux Corporation」を設立したと発表した。Linux OSの開発、サービス・サポートの提供などを行う。

キュービットスターシステムズ、中国科学院ソフトウェア研究所などとオフショア開発で提携

 キュービットスターシステムズ(本社:東京都港区)は2007年11月28日、中国科学院ソフトウェア研究所(ISCAS)および北大青鳥集団と、オフショア・ソフト開発で提携したと発表した。キュービットのバーチャルシンクライアント技術によって、安全にオフショア開発ができるという。3年間で20億円の売り上げを見込んでいる。

サーバー:出荷が急減速 サブプライム問題が影響か

 調査会社の米IDCは11月29日(米国時間)、07年第3四半期の世界のサーバー出荷額は前年同期比0.5%増の130億9700万ドルだったと発表した。7年ぶりの高水準だが、06年春以降では最も低い伸びにとどまった。いわゆるサブプライム問題で世界経済に不安が広がり、企業がサーバー購入を手控えているという。

NECとビーコンIT、運用効率化製品で協業

 NEC(矢野薫社長)とビーコンインフォメーションテクノロジー(ビーコンIT、坂本桂一社長)は11月19日、ユーザー企業の業務生産性向上と運用効率化に向けた製品提供で協業すると発表した。具体的には、ビーコンITの主力製品でデータ変換・活用ソフトウェア「Waha! Transformer」にNECの中小規模システム向けシステム運用管理ソフト「WebSAMオフィス」を組み込んだ「Waha! Transformerナレッジ・オプション」を08年3月から売り出し、3年間で100本の販売を見込む。税別希望小売価格は50万円。

SRA OSS、旧版の「PHP 4」を対象とするセキュリティ対策サービス

 SRA OSS(日本支社:東京都豊島区)は、オープンソースのスクリプト言語「PHP」の旧バージョン「PHP 4」向けのセキュリティ対策サービス「PHP4セキュリティ保守サービス」を2007年12月1日開始する。コミュニティによる保守・アップデートが近く終了する予定であることから、その後も含めてセキュリティ対策をサポートする。価格は1システムあたり年間84万円。

FOSS調達ポリシーで会社を守る

 フリー・オープンソース・ソフトウェア(FOSS)の革新性というと、FOSSによって得られるソフトウェアの自由が語られるのが通例だ。しかし、ビジネス・ツールとして普及するにつれ、FOSSは企業のソフトウェア調達ポリシーをも大きく変え始めている。リスク管理に適したポリシーの策定と実践を指導する企業Palamidaの創立者の一人で現在マーケティング担当バイスプレジデントのTheresa Bui-Fridayと、やはり同様のビジネス・モデルによる企業Black Duck Softwareの創立者であり現在CEOのDoug Levinは、このように指摘している。

エンタープライズ・データを守れ―― 担当者が負担に押しつぶされず、企業にとって価値のある情報を保護するために

 エンタープライズ・データの保護はきわめて重大な課題であり、米国企業もここにきてこの問題に本腰を入れて取り組み始めた。本稿では、社内に潜む脆弱性をあぶり出し、エンタープライズ・データを保護する方法を、米国のユーザー/ベンダーから学びたい。
マット・ハインズ
InfoWorld 米国版