フリーソフトウェア業界にバグレポートで貢献するための秘訣

フリー/オープンソースソフトウェア(FOSS)の発展に寄与する方法の1つとして、これらのソフトウェアを実際に使って確認したバグその他の問題点をプロジェクトに報告し、開発陣によるコードの改善を陰ながら支援するという貢献方法がある。そしてFOSS系プロジェクトという、活気に溢れた無統制さで開発が進められている世界においても、テストを進めるための“より効率的な手法”というものは存在している。よって本稿では、こうしたプログラムの開発者やテストの達人たちから授けられた、ソフトウェアテスターとしての技能を磨くためのコツをいくつか紹介することにしよう。

イベントレポート:第4回 The Linux Foundation Japan Symposium――Andrew Morton氏がLinuxカーネルの開発動向を報告

 The Linux Foundation Japanは3月13日、オープンソース開発者を対象とするシンポジウム「第4回 The Linux Foundation Japan Symposium」を開催した。この記事では、Linuxカーネル2.6のメインテナーであるAndrew Morton氏の講演を中心に、同シンポジウムの午前中の様子をレポートする。

Krugle、オープンソースによるオープンソースのためのコード検索エンジンを提供

オープンソース・ソフトウェアが普及するのに伴って、新しいソフトウェアを開発する際にもコードをゼロから書き起こす必要はなくなった。幾つかある専用検索エンジンを使って、リポジトリーから完成されたコード・スニペットを探せるからだ。そして、このほど、起業家精神に富むオープンソース開発者がベーシックなコード検索エンジンを基盤としてビジネスを立ち上げた。その企業は、ハッカーがよく使う再帰的構造さながらに、設立目的のツールを使って運営されている。

InstallJammer、Linux用自動実行型インストーラー

Linuxの世界には膨大な数のパッケージがあり雑然としていて、Damon CourtneyのInstallJammerを知らない人も多いだろう。しかし、Linuxを含むさまざまなオペレーティング・システム向けに自動実行型インストーラーを作成するInstallJammerは、一見に値する。このほど、RPMとDebianのパッケージ・データベースのサポート、コンソールベースのインストール、対応プラットフォームの追加など、数々の新機能を盛り込んだバージョン1.1がリリースされた。

Zero Install:ネイティブのパッケージ管理システムに対する説得力のある批評

Zero Installは、RPMやDebianのdpkgなどネイティブのパッケージ管理システムに代わるものとして有望視されている。サウザンプトン大学(University of Southampton)の電子情報工学部に勤務するThomas Leonard氏の手によって開発されたZero Installは、既存のパッケージ管理システムの使いにくさを指摘し、そうした問題に対する答えとして生み出されたものだ。しかし、他の代替パッケージ管理システムと同様、Zero Installもまた主要なディストリビューションからの支持は得られておらず、各種機能の調整という点でも問題を抱えている。

Fedora Summitで公開されたロードマップ:コミュニティ全体に関わる大幅な変更

先月、Red HatのFedoraプロジェクトに携わる開発者、エンジニア、マネージャたちが、同プロジェクトの短期および長期的な将来計画を検討すべく、マサチューセッツ州ウェストフォードで開催された3日間のサミットに集結した。そしてブレインストーミングセッションの結果、Fedoraコミュニティ全体に変化を及ぼすロードマップが定められたのである。

LinuxカーネルのIRQをめぐる大論争

今回は普段のカーネルハッキングの話題ではなく、IRQ論争勃発の特別レポートをお届けする。本題に入る前に、PC上のデバイスが、ハードウェア的にはプロセッサに対して、ソフトウェア的にはカーネルに対して、何らかの処理を要求すると、何が起こるかの一例を挙げておこう。デバイスは何らかの処理が必要なことをプロセッサに通知するために、適当な割り込み要求(Interrupt ReQuest、略してIRQ)をオンにする。カーネルは、この要求を満たすことで仕事を処理し、その後IRQを再びオフにする、といった具合だ。

Linuxデスクトップ・アーキテクトたちが2007年の計画を立案

OSDL(Open Source Development Labs) 主催の 第3回 DAM(デスクトップ・アーキテクチャ会議) が米オレゴン州ポートランドで先週開催され、 Linuxデスクトップの開発を今後どのように進めていくのかについての議論が交わされた。 今回のDAM3にはHewlett-Packard社、X.org、Red Hat社、Nokia社、Intel社、 OpenWengo、AMD社、Xandros社、 Linuxprinting.org など多数の組織から40名を超える開発者が参加した。

Linuxディストリビューションの安全性が確立されるまでの舞台裏

Linuxディストリビューションは星の数ほど存在する。それだけ多数の種類が存在しているが故に蔓延しているのが、新規のLinuxディストリビューションを作りたければ、採用するLinuxカーネルを決定し、同梱するアプリケーションをいくつか選び、専用のリポジトリを用意してISOを作成するだけでいい、という誤解である。実際に1つのLinuxディストリビューションを立ち上げて継続的に運営するとなると、単にアプリケーションの組み合わせが正常に機能することを確認すれば良し、というレベルで済ます訳にはいかない。少なくともメジャーなディストリビューションの場合、提供するシステムの安全性を確認し、必要な時期に適切なアップデートをリリースする体制を整えておく必要があるため、それに見合うだけの多くの時間と手間をかけているものなのである。

日本IBM、Eclipseの有償サポートなど開発環境を拡充

 日本IBMは2006年12月12日、オープンソースの開発環境「Eclipse」の有償サポート「Rational Elite Support for Eclipse」を発表した。6日から提供を開始している。開発環境製品のラインアップ拡充の一環で、このほかSOA(サービス指向アーキテクチャ)対応の開発ツール「IBM Rational Software Delivery Platform V7.0(SPD V7)」の出荷を12月23日から開始する。

MozillaとLinuxディストリビューション間の協力体制の成立

Mozilla Foundationは、今後の開発およびリリース体制をLinuxディストリビューション側の要請に合わせる方向で改善してゆくことに同意した。同ファウンデーションからの発表では、今回の合意に関心を示すすべてのLinuxディストリビューションとの間で、パッチの管理、ディストリビューション専用パッケージの作成、開発ポリシの決定に関し、より直接的な協力関係を築くようにするとされている。

エクセルソフト、.NETプラットフォーム用の数値計算と可視化ライブラリ

 エクセルソフト(渡辺光敏代表取締役)は11月28日、AnCAD社の.NETプラットフォーム用の数値計算と可視化ライブラリセット「MATFOR 4 in VB and C#」を11月29日に発売すると発表した。価格はシングルユーザーライセンスが22万3125円。学術機関向けにアカデミック版とクラスルームライセンスも用意する。