問題のインライン表示を導入した「KDevelop 5.6」

 クロスプラットフォームの統合開発環境(IDE)「KDevelop」開発チームは9月7日、最新版となる「KDevelop 5.6」を公開した。

 KDevelopはKDE Communityが開発する統合開発環境(IDE)。KDevelop Platform、KDE Frameworks、Qtライブラリを土台とし、高度なエディタとセマンティックなコード解析を中核機能として備える。C、C++、Python、QML/JavaScript、PHPなどのプログラミング言語をサポートし、Linux、Solaris、FreeBSD、macOSなどのUNIX系OS、Windowsで動かすことができる。GPLの下で公開されている。

 KDevelop 5.6は、2016年に公開されたバージョン5系の最新版。1年半の開発期間を経ており、多くは安定性、性能、メンテナンス性にフォーカスした。

 問題について説明するインラインノートを行の終わりに表示できるようになった。KTextEditorのInlineNoteインターフェイスを利用するもので、ツールビューにアクセスするなどの操作をすることなくすぐに問題を把握できるという。表示できるのは各行に1つの問題のみだが、最も深刻度が高いものが表示されるという。

 ビルドシステムのCMakeでも、Qt 5.9でのテストリンカのエラーを修正した他、パス参照のCMakeManager::fileInformationの最適化など多数の強化が加わった。

 C++、PHP、Pythonの3言語のサポートも強化し、PythonはPython 3.9サポートが加わった。

KDevelop
https://www.kdevelop.org