C/C++言語向け機能を強化した「KDevelop 5.0」が公開、Windowsサポートも実現へ

 オープンソースの開発環境「KDevelop」の開発チームは8月23日、最新のメジャーバージョンとなる「KDevelop 5.0」リリースを発表した。C/C++向けのコード解析にClangを導入するなどの機能が加わっている。

 KDevelopは、KDevPlatform、KDE、Qtライブラリを土台とし、C++、Python、PHP、JavaScript/QMLなどの言語にフォーカスした統合開発環境(IDE)。高度なエディタとセマンティックコード解析機能を中核とし、開発プロセスに渡って必要な機能を備え得るという。対応プラットフォームはLinux、および各種UNIX。また、WindowsおよびMac OS Xでも「プレビュー」という位置付けながら利用が可能。

 KDevelop 5.0はKDevelop 4.7のリリースから約2年ぶりの新メジャーバージョンとなる。メンテナンス性と拡張性を維持しつつ、新機能を加えた。

 C/C++では、独自のC++解析エンジンに代わってclangを導入した。メンテナンス性を強化でき、複雑なC++コード構造のパーシングやハイライトを正確に行えるようになった。このほか、精度の高い診断が可能となり、解析エンジンが正しくCコードをパーシングできるモードも加わった。開発チームによると、これまでのC++向けツールを新しいインフラ上で動かすための作業を進めており、重要な部分については利用できるとのこと。

 いっぽうPythonやPHP、QML/JSなどの言語向け機能については大規模な変化はなく、安定性の強化が中心という。

 また、KDE Frameworks 5とQt 5へのポーティングにより、初めてWindowsでの利用もサポートされるようになった。ただしまだ実験的という位置付けで、現時点ではビルド済みのバイナリは公開されていない。さらに、スタンドアロン版Linuxバイナリも実験的に提供されることになった。これにより、KDevelop 5を気軽に試しやすくなったという。

 KDevelop 5はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

KDevelop
https://www.kdevelop.org/