統計解析向けプログラミング言語Rの新たなメジャーバージョン「R 4.0」リリース

 Revoluton Analytics(米Microsoft傘下)のR言語開発チームは4月24日、統計解析向けプログラミング言語「R 4.0.0」(開発コード「Arbor Day」)を公開した。

 Rは統計解析向けプログラミング言語。Revoluton Analyticsがオープンソースで開発を行っており、2015年に米Microsoftが同社を買収したことによりMicrosoft傘下のプロジェクトとなった。R 1.0.0が公開されたのは2000年2月、プロジェクトは今年20周年を迎えた。

 R 4.0は、2013年4月のバージョン3.0に続くメジャーリリースとなる。新機能として、文字列を定義するための新たな文法が新たに加わった。C++で使われているものに似た文法で、バックスラッシュやクォート、ダブルクォートなどを含む文字列を表現する際に便利だという。

 また、文字列をfactor型に自動変換する「stringAsFactors」オプションのデフォルト値がこれまでのTRUEからFALSEに変更された。変更の理由として、このデフォルト値は統計モデルを容易にする一方で、変換処理によってデータの振る舞いにおいて混乱が発生していたためとしている。今後はdata.frame() とread.table()の呼び出し時に文字列をfactor型にデフォルトで変換することはないとしている。

 参照カウントシステムの強化も行われた。オブジェクト削除時にすべての参照をカウントするようになることで、Rが上限なくメモリを取り戻すことができ、全体のメモリフットプリントも削減できるとしている。行列と配列型の正規化も行った。また、S3の汎用関数plot()がパッケージグラフィックではなくパッケージベースに含まれるようになった。チャート向けのカラーパレットも新しくなっている。

 性能では、グリッドグラフィックシステムを一新し、ggplotグラフィックのレンダリングやソケットコネクションの速度などが改善した。

 R 4.0のLinux、macOS、Windows向けのバイナリ、ソースコードはプロジェクトのWebサイトより入手できる。パッケージは再インストールが必要という。

R
https://www.r-project.org/