米Microsoft、Rベースのデータ分析プラットフォーム「Microsoft R Server 9.0」を発表

 米Microsoftは12月7日、統計解析言語Rベースの商用データ分析プラットフォーム「Microsoft R Server 9.0」を発表した。Ubuntuのサポートや機械学習パッケージの導入、Spark 2.0のサポートなどが行われている。

 Microsoft R Server(MRS)はオープンソースのRエンジン上にプロプライエタリ技術を加えたデータ分析プラットフォーム。Microsoftは2015年にR言語を開発するRevolution Analyticsを買収しており、買収前まで「Revolution R Enterprise」として提供されていたものの後継となる。デスクトップ向けの無償版「R Client 3.3.2」も同時に公開した。

 Microsoft R Serverとしては8.0に続くメジャーアップデートとなる。Microsoftの様々な製品で試したという最新の機械学習アルゴリズムを「MicrosoftML」パッケージとして導入した。MicrosoftMLはL1/L2正則化をサポートした高速なリニア学習機構や高速に起動するディシジョンツリー、高速なランダムフォレスト、GPUによるアクセラレーションに対応するDeep Neural Networks(DNN)などから構成される機械学習パッケージで、RevoScaleRやCRAN Rなどと組み合わせて利用できるという。2017年にはLinuxとHadoop対応版も提供する。

 オペレーション関連では、Rで作成したモデルの実装を強化し、データの場所に関係なく実装できるようになった。RモデルとスクリプトをWebサービスに変換する「MRSDeploy」パッケージが提供され、これを利用することで容易にモデルをWebサービスとして公開できる。またAPIフレームワーク「Swagger」を利用することで、ほかのプログラミング言語で書かれたアプリケーションへの統合も簡素化できるという。これらを活用することでトレーニングしたRモデルをオンプレミス、クラウドなどの異なる環境に実装でき、またActive-Activeの高可用性技術とグリッドコンピューティングにより拡張性も維持するという。データソース側ではSpark 1.6に加えてSpark 2.0のサポートも加わった。

 対応プラットフォームとして、すでに対応済みのRed Hat LinuxやSUSEに加えてUbuntuもサポート対象となった。Hadoop環境としてはClouderaやHortonworks、MapRをサポートする。

 Microsoft R Server 9.0は、MSDN及びVisual Studio Dev Essentialsより入手できる。

 なお、合わせて公開したR Client 3.3.2では、MicrosoftML、OlapR、MRSDeploy、SQLrutilsを含むMRSパッケージを導入した。自動的にアップデートをチェックしてユーザーに通知するようになり、オフラインでのインストールが可能になった。

 Microsoftは商用版のほか、11月末にR-3.3.2ベースのオープンソース版「Microsoft R Open(MRO) 3.3.2」も公開している。

Microsoft R Server
https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/r-server

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